シラバス情報

科目名
微生物学
開講年度学期
2025年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2単位
時間
月曜日(Ⅱ校時 10:40〜12:10 )
教室
144
教科書
栄養科学イラストレイテッド 微生物学 改訂第2版(羊土社)

1.担当教員
担当教員
相原 健二
研究室
非常勤講師室
オフィスアワー
月曜日 12時20分〜12時40分
火曜日 14時40分〜15時00分

2.授業の目的
(1)授業の目的
日常生活の中で,微生物による病害に人は脅威を感じる一方,微生物の持つ有用性は古くから知られており,食品加工をはじめとした様々な分野で応用されています。このような微生物の両面性をエビデンスに基づき正しく理解することは,健康維持に対する自己意識を高めるとともに,社会において知識を実践・応用していくための基礎的能力を身に着けることを意味します。本授業では、細菌・ウイルス・真菌・寄生虫などの微生物を中心に、その特徴と制御方法を基礎習得することを目的とします。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
到達目標
 ①微生物学の基礎(歴史、分類、特徴)を理解する。
 ②微生物学の制御方法(滅菌と消毒等)を理解する。
 ③有用微生物の活用を理解する。
 ④病原微生物による感染症を理解する。
 ⑤異物に対する生体防御メカニズム(免疫とアレルギー)を理解する。
 ⑥腸内細菌叢とプロバイオティクスを理解する。
ディプロマ・ポリシーとの関連
 微生物はあらゆる生活環境に存在するが,生残と増殖に適した条件を必要とするため,その種類は環境ごとに様々である。各種食品や原材料等も好適環境の一つであり,病原微生物と有用微生物が混在する。また,ほ乳類を維持母体とする病原微生物は多く,従来と異なる変異型が出現した際には人の健康に甚大な被害をもたらす。これらの被害を防止するために種々の微生物制御方法が活用されており,未知なる微生物の存在を迅速に推定するための遺伝子技術も次々に開発されている。また、微生物学や遺伝子工学を応用したバイオテクノロジーは、第5次産業革命とも呼ばれ、毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出するもっとも研究が盛んな学問分野である。
 本科目は、健康栄養学科のディプロマ・ポリシー2<専門的知識と技術>「健康や食に関する多種の専門分野から得意分野を併せ持った管理栄養士としての自覚を持つことができる。」の達成を目指す科目である。
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版DP【https://drive.google.com/file/d/1ILxl3LLuFvjYjb2-vAQtQ3KVYPA2AHEF/view?usp=sharing】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版カリキュラムマップ【https://drive.google.com/file/d/1fwNzovxKgLy1OA-V682iU3G5pWAc99Sw/view?usp=sharing】

3.授業の概要
微生物はあらゆる生活環境に存在しますが,生残と増殖に適した条件を必要とするため,その種類は環境ごとに様々です。各種食品や原材料等も好適環境の一つであり,病原微生物と有用微生物が混在します。また,ほ乳類を維持母体とする病原微生物は多く,従来と異なる変異型が出現した際には人の健康に甚大な被害をもたらします。これらの被害を防止するために種々の微生物制御方法が活用されており,未知なる微生物の存在を迅速に推定するための遺伝子技術も次々に開発されています。そこで,本授業では「微生物の基礎」「微生物制御方法」「有用微生物」「病原微生物」「免疫・アレルギー」「腸内細菌叢とプロバイオティクス」について学び、人と微生物の関係について考えていきます。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間に沿って、授業を進めていきますので、表に示された教科書の対応する箇所をあらかじめしっかりと読んでおくことが予習となります。事前に教科書を読んでくることで、授業内容が理解しやすくなり聴くポイントがつかめます。わからない専門用語があれば、あらかじめ調べておくことが必要となります。理解できない内容については、オフィスアワーの時間やユニバQ&Aで、随時質問を受けます。なお、微生物学は最先端の学問分野であるため回答に時間を要する場合もあります。
(2)授業の受け方
教科書を中心に、講義形式で行います。スライドで重要な箇所を示しますのでチェックをしてください。また、授業の進捗に合わせ、過去の管理栄養士の国家試験問題等を配布しますので、必ずどれが正解で、どこが間違いか確認してください。
(3)復習の仕方
復習では、できるだけその日のうちに授業内容をノートに書き出し、足りないところを補足して、自分なりに理解できるようにまとめてください。また、各章の単元終了後にテスト形式のレポートを出題します。出題は授業中のスライド等で示した要点や管理栄養士国家試験の過去問を中心に作成します。レポートは指定期日までに必ず提出してください。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時のマナー(私語・内職・居眠りを慎む等)を徹底してください。授業に著しく迷惑がかかるときは退室してもらうことがあります。
(2)本大学のルールにより、6回以上の欠席は科目放棄とみなします。また、遅刻・早退は2回を欠席1回扱いとします。
(3)レポートは評価対象になりますので、必ず提出してください。
(4)定期試験における不正行為(カンニング等)発覚時は退室してもらい、科目放棄とみなします。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
ガイダンス
教科書 第1章 微生物学の概論
     1 微生物とは
     2 微生物の歴史
     3 微生物の特徴
  
教科書 p.11〜26
「生物とは何か」「生物とは何か」「生物の分類」「微生物学の歴史」「微生物の特徴」について理解する

 
第2回
教科書 第1章 微生物学の概論
     4 微生物と感染症
     5 感染症に関する法律と対策
     6 遺伝子の突然変異と水平伝播
教科書 p.26〜40
「感染の種類と経路」「感染症法に関する法律と対策」「遺伝子の突然変異と応用」等について学ぶ。
第3回
教科書 第2章 微生物学の制御
     1 微生物の制御とは
     2 微生物の増殖条件
     3 食品の腐敗と発酵
     4 滅菌・消毒
     5 食品の保存
教科書 p.41〜63
「微生物制御」「食品の腐敗と発酵」「滅菌・消毒」「食品の保存法」について学ぶ
第4回
教科書 第3章 微生物の活用
     1 アルコール飲料
     2 発酵調味料
     3 微生物利用食品
     4 微生物によるその他の物質生産と利用
   
教科書 p.64〜78
微生物を活用した食品全般について、その製造工程でどのように微生物が使用されているか学ぶ
第5回
教科書 第4章 病原微生物と感染症
    §1 細菌と感染症
     1 グラム陽性菌
     2 グラム陰性菌
     3 マイコプラズマ、リケッチア、クラミジ
     4 口腔細菌
     5 衛生指標菌
教科書 p.17〜21、p.79〜114
細菌の分類方法を学び、代表的な病原細菌について疾病と、感染経路、病態、病原因子を覚える(第6回と2回)
第6回
教科書 第4章 病原微生物と感染症
    §1 細菌と感染症
     1 グラム陽性菌
     2 グラム陰性菌
     3 マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア
     4 口腔細菌
     5 衛生指標菌
教科書 p.17〜21、p.79〜114
細菌の分類方法を学び、代表的な病原細菌について疾病と、感染経路、病態、病原因子を覚える(第5回と2回)
第7回
教科書 第4章 病原微生物と感染症
    §2 ウイルスと感染症
     1 RNAウイルス
     2 DNAウイルス
     3 肝炎ウイルス
     4 プリオン
教科書 p.115〜140
ウイルスの分類方法を学び、代表的な病原ウイルスについて疾病と、感染経路、病態を覚える(第8回と2回)
第8回
教科書 第4章 病原微生物と感染症
    §2 ウイルスと感染症
     1 RNAウイルス
     2 DNAウイルス
     3 肝炎ウイルス
     4 プリオン
教科書 p.115〜140
ウイルスの分類方法を学び、代表的な病原ウイルスについて疾病と、感染経路、病態を覚える(第7回と2回)
第9回
教科書 第4章 病原微生物と感染症
    §3 原虫、蠕虫、真菌と感染症
     1 原虫と感染症
     2 蠕虫と感染症
     3 真菌と感染症
教科書 p.141〜161
原虫、蠕虫、真菌の分類方法を学び、代表的な病原ウイルスについて疾病と、感染経路、病態を覚える
第10回
教科書 第4章 病原微生物と感染症教科書 
    §4 感染症の一覧、治療
     1 感染症の種類
     2 食品衛生学上重要な感染症と原因微生物
     3 感染症の化学療法
教科書 p.30〜34、p.162〜177
「感染症の種類と化学療法」について学ぶとともに「食品衛生学上重要な感染症と原因微生物」について詳しく学ぶ
第11回
教科書 第5章 免疫とアレルギー
     1 免疫とは
     2 体液性免疫と細胞性免疫
     3 生体防御を担う免疫系のネットワーク
教科書 p.178〜191
免疫のメカニズムとそれに関与する細胞群、病原体(抗原)等体に侵入した異物の排除方法(免疫応答)の仕組みについて学ぶ(第12回と2回)
第12回
教科書 第5章 免疫とアレルギー
     1 免疫とは
     2 体液性免疫と細胞性免疫
     3 生体防御を担う免疫系のネットワーク
教科書 p.178〜191
免疫のメカニズムとそれに関与する細胞群、病原体(抗原)等体に侵入した異物の排除方法(免疫応答)の仕組みについて学ぶ(第11回と2回)
第13回
教科書 第5章 免疫とアレルギー
     4 アレルギー(過敏症)
     5 食物アレルギーの表示
     6 血液型と適合性
     7 自己免疫疾患と免疫不全
     8 予防接種
     9 栄養と免疫
     10 運動と免疫
教科書 p.192〜225
アレルギー(過敏症)の種類、原因、メカニズム、食物アレルギー、血液型と適合性、自己免疫疾患と免疫不全の種類、メカニズム、予防接種の種類、栄養と免疫、運動と免疫の関係について学ぶ
第14回
教科書 第6章 腸内細菌叢とプロバイオティクス
     1 腸内細菌叢
     2 プロバイオティクス
     3 プロバイオティクス・シンバイオティクス
     4 その他の微生物が生み出す有用微生物
     5 関連する機能性食品
教科書 p.226〜239
腸内細菌叢、プロバイオティクス、プロバイオティクス・シンバイオティクスの概念について理解し、どのような食品に使用されているかについて学ぶ
第15回
管理栄養士国家試験問題 「微生物編」 解説
過去10年間に出題された管理栄養士国家試験問題の中で微生物分野が関係する問題をピックアップし解説する
第16回
定期試験
予習・復習
教科書を使った予習・復習が必要です。授業前に先立って必ず教科書の該当するページをしっかりと読み込んで、わかった点や疑問点をまとめてください。復習では、できるだけその日のうちに授業内容をノートに書き出し、足りないところを補足し、自分なりにまとめてください。おおよその目安として、各回予習・復習に2時間程度は必要です。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
定期試験(70%)・・・講義最後のスライドで示すキーワードに係る問題を出題します。
小テストまたはレポート(20%)・・・各章終了後に、小テストまたはレポートの提出を課します。出題は授業中に示した要点や管理栄養士国家試験過去問から作製します。レポートは指定期日まで必ず提出してください。
受講態度(10%)・・・出席を重視しますが、受講時のマナーも評価対象とします。

8.参考図書・文献
ゼロからわかる栄養系微生物学
藤原永年/岩田健
南江堂
978-4-524-22759-4

9.履修上の注意
(1)受講に際して、心配や不安なことがある場合は、必ず担当教員に相談してください。事案によっては、特別な配慮を行う場合があります。
(2)微生物学は卒業に必要な専門科目ではありません。しかし、栄養士資格取得、管理栄養士国家試験受験資格取得、食品衛生管理者及び食品衛生監視員任用資格取得に必要な規定科目である「食品衛生学」を学ぶ上で必要な基礎学問となります。また、微生物学は第5次産業革命と呼ばれるバイオテクノロジーの根幹をなす学問分野です。