シラバス情報

科目名
健康・医療心理学
開講年度学期
2025年度後期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
2単位
時間
金曜日2時限(10:40〜12:10)
教室
525教室
教科書
使用しない

1.担当教員
担当教員
中嶋 みどり
研究室
5号館4階
オフィスアワー
火曜日2時限(10:40〜12:10):事前に予約がある方が良い

2.授業の目的
(1)授業の目的
 本講義は、人が健康で豊かな人生を送るための医療・健康心理学に関する原理と方法を扱う。大きくは①健康および病気の結果に及ぼす心理的要因の影響、②健康行動のあり方、③医療領域での心理臨床家の専門性について学ぶことを目的としている。ストレスチェックの意義、性格特性と健康やライフスタイルの変容といった自発的、主体的な活動を通して心身ともに健康な生活の促進について、日常生活に活かすことを考えられることが目的である。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①医療心理学と健康心理学の歴史を理解し、メンタルヘルスに及ぼす生物・心理・社会的要因、心身相関の原理を理解している。<心理福祉DP6>
②ストレッサー、ストレスの認知、パーソナリティ要因、コーピング、反応といった一連の理論を理解している。<心理福祉DP6>
③健康・保健関連の活動の中で、心理臨床家をはじめ専門家が貢献する姿勢を理解している。<心理福祉DP6>
④ライフスタイルの変容と健康の関連に関心をもち、日常生活を振り返り、望ましいライフスタイルおよび健康の保持に活用している。<心理福祉DP6>
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版DP【https://drive.google.com/file/d/1ILxl3LLuFvjYjb2-vAQtQ3KVYPA2AHEF/view?usp=sharing】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版カリキュラムマップ【https://drive.google.com/file/d/1fwNzovxKgLy1OA-V682iU3G5pWAc99Sw/view?usp=sharing】

3.授業の概要
 健康心理学および医療心理学の基礎および応用領域について概説する。前半は、危機状態に陥った時の生体の反応、ストレス理論と個人特性との関連の理解し、健康とパーソナリティの関連について学ぶ。後半は、多様な臨床現場において、心理臨床家が果たすべき専門性や行動変容、障害・疾病受容過程等を扱う。リアクションペーパーを用いて自身の性格や健康に対する意識に内省を求めるため、主体的な受講態度と姿勢を求め、人間の行動や反応の理由を考える力をつけることを目指す。

※本講義は、複数の心理臨床現場で実務経験をもつ公認心理師、臨床心理士の有資格者が担当する。
※関心のある領域・知見を広めるための情報検索・提示、意見をまとめるにあたって、クリッカー、Google Forms、Jamboard等、LMSをはじめとするICTを活用したアクティブラーニングを実践する。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
・6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間に記載した箇所の用語について、文献を調べ、内容を理解すること。
・医学、社会福祉学、保健学、公衆衛生学等の心理学以外の用語も頻出するため、日ごろから自身で予習・復習を心掛けること。
・予習課題は、レポート課題に繋がりやすい内容であるため、予習課題がどのような実践や応用に活かされているか、多く調べておくこと。

※課題の提示・提出にあたっては、UNIPAやGoogle Forms等、LMSをはじめとするICTを活用する。
(2)授業の受け方
・授業はプリントを配布して進める。健康と性格の関連等ではワークを行いながら学ぶ。
・重要なことや疑問に思ったことは、メモすること。問いかけも時にするため、積極的に回答・参加すること。
・自身のあり方、生活パターンと関連させながら、興味を持って学ぶと、関心がさらに湧きます。
・リアクションペーパーは、平常点の加点としての機能をもつものとして臨むこと
(3)復習の仕方
・配布資料および授業中に書いたノートを早いうちに振り返り、理解を定着させること。
・授業で扱われた用語について、復習し、どのような実践や社会現象の対応につながっているか、さらに調べておくこと。
・リアクションペーパーや課題では、自身の見聞、体験を生かしてよく考えたり、未来を想像しながら、直面した事態について考えを深めること。
・後半の授業では、特に多様な領域で生かされている臨床例などを調べ、専門性を理解すること。
※課題の提示・提出にあたっては、UNIPAやGoogle Classroom, GoogleForms等、LMSをはじめとするICTを活用する。

5.受講にあたってのルール
・受講時は、私語を慎み、居眠り・内職等は行わないこと。
・他人の考え、文章をコピー&ペーストすること、引用・参考文献を使っても典拠を書かない盗用を行わないこと。
・レポート課題のテーマから外れた内容、自身の感想を述べるのみで、考察がないリアクションペーパーや課題は、平常点の加点をしない場合がある。常に、自分の考えや経験を振り返っての考察を加え、深めるように心がけてください。
・考慮に値する理由のない30分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。考慮に値する理由のない早退は欠席とみなす。
・欠席・課題提出遅延の場合、必ず連絡すること。欠席回数が3分の1以上の者は、成績評価の対象としない。考慮に値する事情がある場合は、必ず伝えること。良識の範囲を超えた遅延での報告では、対応できないことを心得ておくこと。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
健康、well beingの概念
健康、well beingの概念
第2回
健康心理学・医療心理学の歴史的変遷
健康心理学・医療心理学の歴史的変遷
第3回
ストレスの生理学と心理的疾病
汎適応性症候群、心身症、トランスアクショナルモデル
第4回
ストレス理論の諸説
ストレッサー、ストレス反応、対処行動の適合性仮説
第5回
ストレスの緩衝要因
ソーシャルサポート
ソーシャルスキルと健康
第6回
健康と人格特性
タイプA行動パターン、統制の所在、自己効力感、ハーディネス
第7回
災害・事件等に対応するための心理的支援
サイコロジカル・ファーストエイド
PTSD
第8回
理解度の確認①
第7回目までの内容を復習すること
第9回
多様な健康保健活動と地域支援
一次予防、二次予防、三次予防
健康日本21(第三次)
小児・母子保健領域における心理的ケア

report課題提示①
第10回
労働者のメンタルヘルス
ストレスチェック制度の概要
第11回
受療行動とライフスタイルの変容
行動変容に関する介入
自己効力感、統制の所在などの影響
第12回
喪失や障害の受容
障害受容過程、障害をもつ子どもの親、きょうだいの心理
第13回
がん患者や関係者に対する心理的ケア
サイコオンコロジー
がん患者に対するケア
report課題提出
第14回
自殺予防活動
自殺のリスク要因、社会資源、遺族への支援
第15回
ポジティブ心理学の考え方
ポジティブ心理学
第16回
理解度の確認②
第9回から第15回目までの内容
予習・復習
目安の時間として、授業1コマにつき、予習120分、復習120分程度が必要。
上記、予習・復習のキーワードに基づき、多様な問題に調べてください。
自身の性格傾向や社会に対する保健活動に関心を持ち、授業内容を関連させながら、学ぶと興味・関心が深まります。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
・理解度の確認(70%)理解度の確認の回に実施。
・レポート・平常点(30%)レポート課題による評価、出席、リアクションペーパーなど授業活動への参加度。

※災害等で対面での授業が全学的に困難と判断された場合は、大学の通達に従い、遠隔授業を実施しますので、必ずUNIPAやメールを確認してください。

8.参考図書・文献
健康・医療心理学・入門 -- 健康なこころ・身体・社会づくり
島井哲志・長田久雄・小玉正博
有斐閣 アルマ
978-4641221420
健康・医療心理学 (公認心理師の基礎と実践16巻)
丹野 義彦
遠見書房
978-4866160665

9.履修上の注意
・本講義は、公認心理師受験資格に必要な授業であり、心理演習の要素も含んだ基礎的内容が含まれています。
・健康にまつわる心理学的知見を学ぶ講義ですが、公衆衛生学や医療現場での臨床の視点も多く、理解する努力が求められます。しかしながら、自身の健康行動や世界的視野で捉える健康(行動や疾病)に関心をもつことで、知的好奇心を高めていける講義です。心理演習等を履修しない学生にも、役立つ内容です。
・受講に際して、何らかの配慮を必要とする場合は、必ず2回目の授業までに担当者に相談してください。事情を考慮し、特別な配慮を行う場合があります。

※災害等で対面での授業が全学的に困難と判断された場合は、大学の通達に従い、遠隔授業を実施しますので、必ずUNIPAやメールを確認してください。