シラバス情報

科目名
情報社会と倫理
開講年度学期
2025年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
金曜日2校時(10:40〜12:10)
教室
教科書
教科書は使用しない。

1.担当教員
担当教員
池田 準
研究室
非常勤講師室
オフィスアワー
金曜日 10:00-10:30

2.授業の目的
(1)授業の目的
高度な情報技術が私たちの生活にもたらす様々な社会問題を倫理学的観点から洞察し、それらの問題に対処する方法と考え方を学び、自分自身の生活のみならず社会教育や生涯学習支援を実践する場でも生かせるようにする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 高度な情報技術がもたらす社会の変容とその意味が理解できるようになる。
〈学部DP3②、GS DP1①〉
② 日常生活で直面する情報社会の諸問題について一定の説得力を有する根拠に基づいて自分の意見を組み立てることができるようになる。
〈学部DP2②、GS DP1②〉
③ 社会教育・生涯学習支援において倫理問題について他者と議論するに足る論理的な表現力と理解力を身につける。
〈学部DP4④〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版DP【https://drive.google.com/file/d/1ILxl3LLuFvjYjb2-vAQtQ3KVYPA2AHEF/view?usp=sharing】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版カリキュラムマップ【https://drive.google.com/file/d/1fwNzovxKgLy1OA-V682iU3G5pWAc99Sw/view?usp=sharing】

3.授業の概要
現代社会ではスマートフォンをはじめとした情報機器、インターネット、人工知能などが人々の生活やコミュニケーションのあり方に大きな影響を与えている。これらの情報技術のおかげで利便性が向上する一方、新たな種類の犯罪や権利の衝突、人間関係上の困難が生じるようになった。授業では情報社会の倫理的な問題について講義・解説をした上で、アクティブ・ラーニングの一環としてPBL(課題解決型学習)を行い、情報技術がもたらす身近な問題に他者と共にどう取り組めばよいのかを情報技術・倫理学・社会教育の3つの観点から考える。特に情報セキュリティや人工知能の問題についてはインターネット上のオープンな教育リソースを教材として活用することもある。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」にそって授業を展開するので、表に記された課題に関連する事例をインターネット等を利用してあらかじめ自分で調べたり、その課題の解決策を考えておくこと。
(2)授業の受け方
授業は講義資料を紙のプリントとPDFで配布し、パワーポイントのスライドを用いて進める。講義内容を紙の講義資料に書き込むか自分のスマートフォンやノートパソコン等を利用してPDFに書き込むなどして後で復習できるようにしておくこと。また、情報社会における倫理問題の解決策について各自の意見を聞く機会も授業中に設けるので、倫理問題に対する自分なりの考え方を適宜まとめておくとよい。
(3)復習の仕方
資料を読み直し、不明な点や疑問点について自分でさらに調べて書き込んでおくこと。また、授業中に紹介した文献やWEBサイトを自分の目で確認し、理解を深めておくとよい。

5.受講にあたってのルール
(1) 受講時の基本姿勢(マナー)
受講時は、私語を慎み、居眠り・内職等は行わないこと。
(2) 欠席の扱い
欠席する場合は「欠席届」を提出すること(電子メールによる連絡でよい。講師のメールアドレスは第1回授業で告知する)。公欠(実習等による欠席)や忌引、交通機関の運行休止による通学困難は申告があれば通常の欠席には含めない。就職活動等によるやむをえない欠席については応相談。
(3) 期末レポートの提出資格
講義15回のうち、欠席回数が3分の1(5回)以上の者の期末レポートは受け付けない(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
イントロダクション:情報社会で私たちは幸せになったか
スマートフォンやインターネットを使うことが当たり前になったことで私たちの生活がどのように変わったかを調べる。
第2回
情報セキュリティとインターネットの仕組み(1)
インターネット上で情報が流出した事件について調べる。
第3回
情報セキュリティとインターネットの仕組み(2)
情報流出を防ぐにはどのようなことに気をつければよいのかを考える。
第4回
SNSと炎上(1) 「炎上」はどのようにして起こるのか
SNSで起きた「炎上」にはどのようなものがあるのかを調べる。
第5回
SNSと炎上(2) 他者を傷つけない・自分が傷つかないSNS利用
「炎上」を起こさない・巻き込まれないためにはSNSをどのように使うのがよいか。
第6回
フェイクニュース(1) 偽情報はどのようにして拡散するのか
インターネット上で拡散したフェイクニュースとその影響について調べる。
第7回
フェイクニュース(2) 偽情報に惑わされないためのメディアリテラシー
フェイクニュースに惑わされないためにはどのようなことに気をつければよいのかを考える。
第8回
ビッグデータ(1) ビッグデータとは何か
ビッグデータを活用したビジネスや行政の施策について調べる。
第9回
ビッグデータ(2) ビッグデータの活用とプライバシーの保護
ビッグデータの活用がもたらす良い影響と悪い影響を考える。
第10回
仮想通貨と電子マネー(1) 仮想通貨と電子マネーは何が異なるのか
仮想通貨と電子マネーの違いについて調べる。
第11回
仮想通貨と電子マネー(2) 仮想通貨・電子マネーの可能性と限界
仮想通貨や電子マネーの普及がもたらす良い影響と悪い影響を考える。
第12回
人工知能と著作権(1) 生成AIはなぜ著作権侵害を起こしやすいのか
文章・画像・映像・音楽などの分野で生成AIが著作権を侵害した事例を調べる。
第13回
人工知能と著作権(2) 生成AIの活用と著作権保護
著作権を保護しつつ、生成AIを活用する方法を考える。
第14回
人工知能と人間社会(1) 人工知能は人間の雇用を脅かすのか
人工知能によって雇用や仕事の内容が大きな影響を受ける職業・業種を調べる。
第15回
人工知能と人間社会(2) 人工知能と人間の共存可能性
人工知能をどのように活用すれば人間の仕事や活動と共存できるかを考える。
第16回
予習・復習
予習については各回のテーマに関連した出来事や情報技術についてインターネットや書籍資料を利用して調べておく。また、復習として授業で配布した資料をもとにして必要な情報をさらに調べ、倫理問題についての自分の考えをまとめるとよい。授業・予習・復習あわせて4時間程度の学習を心がけよう。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1) 期末レポート(55%)...学期末にレポート作成を課す。授業で検討した情報社会の倫理問題から1つを選択し、授業で学んだ知識や授業中に紹介した他者の見解を活かしつつ、その問題についての自分の意見を論述する。
〈到達目標①、到達目標②〉
(2) 授業内課題(45%)...毎回の授業で1つ課題を提示し、それに関する簡単な論述(100字程度)に取り組んでもらう(各回の授業につき評価3%×15回)。予習として自分で調べてきた事柄を授業の中で学んだ倫理問題に対する考え方や取り組みと結びつけて論述する。授業内課題のフィードバックとして提出後の授業で講評をするので復習に活用すること。
〈到達目標③〉

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
特定の情報機器やソフトウェアの操作方法を学ぶ授業ではなく、情報社会で生じる倫理問題についての考え方を学ぶ授業なので、情報技術・機器についての特別な専門知識は必要としない。SNSや情報セキュリティ、人工知能などについて詳しく知らない人に対しても基本的な情報を提供するので安心してほしい。受講に際して心配や不安なことがある場合は、必ず2回目の授業までに講師に相談すること。個別の事情に応じて特別な配慮を行う場合がある。また、自然災害等で公共交通機関が全面的に運休し、対面授業の実施が困難になった場合には遠隔授業を実施する。対面授業の中止に関しては必ずUNIPAで確認をすること。学生個人の事情で欠席する場合は各自で「欠席届」を提出すること(電子メールによる連絡でよい)。