シラバス情報

科目名
食品衛生学
開講年度学期
2025年度前期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
火曜日(Ⅲ校時 13:00〜14:30 )
教室
144
教科書
栄養科学イラストレイテッド 食品衛生学<第3版> 田崎達明編 羊土社

1.担当教員
担当教員
相原 健二
研究室
非常勤講師室
オフィスアワー
月曜日12時20分〜12時40分
火曜日14時40分〜15時00分 

2.授業の目的
(1)授業の目的
食や食品を取り巻く環境は、1990年代から社会構造と世帯構造の変化を背景に、調理食品、外食・中食への需要増加など食へのニーズの変化、輸入食品の増加、食のグローバル化の進展など、大きく変容しています。その一方で、BSE問題、食品の偽装表示問題、中国産冷凍餃子への農薬混入問題、東日本大震災による食品中の放射性物質問題など食の安全を揺るがす事件や事故が相次いで発生するとともに食品の安全性について国際的標準化が求められています。このような状況を背景に、「食品安全基本法」(H15)と「食品表示法」(H25改正R6完全施行)が制定されました。また、「食品衛生法」が大きく改正(H30改正R3完全施行)されました。本授業では、これら法律の理解と食品の安全性を確保する目的や方法について学び、食品衛生の基礎知識を習得することを目的とします。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
到達目標 
 ➀ 食品衛生法、食品安全基本法等関係法規について理解する
 ② 食品変質、食中毒、食品中の汚染物質について、原因、発生メカニズム、防止対策等について理解する
 ③ 食品衛生管理(HACCP)の手法について理解する
 ④ 食品表示法について理解する
ディプロマ・ポリシーとの関連
  本科目は、健康栄養学科のディプロマ・ポリシー2<専門的知識と技術>「健康や食に関する多種の専門分野から得意分野を併せ持った管理栄養士としての自覚を持つことができる。」の達成を目指す科目である。
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版DP【https://drive.google.com/file/d/1ILxl3LLuFvjYjb2-vAQtQ3KVYPA2AHEF/view?usp=sharing】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
2025年度版カリキュラムマップ【https://drive.google.com/file/d/1fwNzovxKgLy1OA-V682iU3G5pWAc99Sw/view?usp=sharing】

3.授業の概要
私たちは、毎日飲食により栄養を摂取し健康を維持しています。したがって、健康な生活を営むためには飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止することが何よりも重要となります。本授業では、「食品衛生関連法規」「食品の変質」「食中毒」「食品中の汚染物質」「食品の衛生管理」などについて、科学的観点から「食品衛生」について学びます。また、食品衛生に関する行政発表やマスコミ報道を適時取り上げ、共に考えます。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間に沿って、授業を進めていきますので、表に記された教科書の対応する箇所をあらかじめしっかりと読んでおくことが予習となります。事前に教科書を読んでくることで、授業内容が理解しやすくなり聴くポイントがつかめます。わからない専門用語があれば、あらかじめ調べておくことが必要となります。理解できない内容については、オフィスアワーの時間やユニパQ&Aで、随時質問を受けます。
(2)授業の受け方
教科書を中心に、スライドを用いて、講義形式で授業を行います。スライドで重要な箇所を示しますのでしっかりとチェックしてください。また、授業の進捗に合わせ、過去の管理栄養士の国家試験問題等を不定期に配布しますので、必ずどれが正解で、どこが間違いか確認してください。
(3)復習の仕方
複数の単元終了後にテスト形式のレポートの提出を課します。復習は、教科書の単元末の練習問題を解くことで、より一層理解を深めることができます。また、食品衛生に関する行政発表やマスコミ報道について関心を持つと、より深く学びが得られます。新聞切り抜きやネット掲載情報などを不定期で配布しますので、読み込んでください。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時のマナー(私語・内職・居眠りを慎む等)を徹底してください。授業に著しく迷惑がかかるときは退室してもらうことがあります。
(2)6回以上の欠席は科目放棄とみなします。また、遅刻・早退は2回を欠席1回扱いとします。
(3)レポートは評価対象になりますので、必ず提出してください。
(4)定期試験における不正行為(カンニング等)発覚時は退室してもらい、科目放棄とみなします。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
ガイダンス
自己紹介
第1章 食品衛生と法規(1)

教科書 第1章 p.12-20
食品衛生の概要、我が国の法規と衛生行政機構、食品安全基本法の概要について学ぶ



 
第2回
第1章 食品衛生と法規(2) 
 
教科書 第1章 p.20-37
食品衛生法の概要、食品衛生関連法規(食品表示法、健康増進法、薬機法、と畜場法、食鳥処理法、地域保健法、感染症法等)、日本の食品衛生行政組織、食品衛生にかかわる国際的組織等について学ぶ
第3回
第2章 食品と微生物
第3章 食品の変質
教科書 第2章 p.38-48 第3章 p.49-66
食品と微生物(1年次に履修した「微生物学」のダイジェスト)、 食品の変質(微生物による変質、化学的変質)、変質防止方法について学ぶ
第4回
第4章 食中毒(1) 細菌性感染型食中毒
   
教科書 第4章 p.67-83
細菌性感染型食中毒(サルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌、ウエルシュ菌、エルシニア属菌、セレウス菌、カンピロバクター、リステリア等)の原因、メカニズム、症状、予防法について学ぶ
第5回
第4章 食中毒(2)細菌性毒素型食中毒とウイルス性食中毒
教科書 第4章 p.84-88
細菌性毒素型食中毒(黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌)とウイルス性食中毒(ノロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス等)の原因、メカニズム、症状、予防方法について学ぶ
第6回
第4章 食中毒(3)寄生虫食中毒、人畜共通感染症、BSE
教科書 第4章 p.88-106
寄生虫(アニサキス、クドア・セプテンプンクタータ等)、人畜共通感染症、牛海綿状脳症(BSE)の原因、メカニズム、症状、予防法について学ぶ
第7回
第4章 化学物質食中毒、動物性自然毒(魚介毒)、植物性自然毒(有毒植物と毒きのこ)、食中毒調査方法
教科書 第4章 p.106-117
化学物質(ヒスタミン、有害元素)、動物性自然毒(魚介毒)、植物性自然毒(有毒植物と毒きのこ)の原因、メカニズム、症状、予防法及び食中毒調査方法について学ぶ
第8回
第5章 食品中の汚染物質(1)
教科書 第5章 p.118-141
カビ毒、化学物質、内分泌かく乱物質、有害元素、放射性物質、異物混入、アレルゲンの原因、メカニズム、症状、予防法について学ぶ(第9回と2回)
第9回
第5章 食品中の汚染物質(2)
教科書 第5章 p.118-141
カビ毒、化学物質、内分泌かく乱物質、有害元素、放射性物質、異物混入、アレルゲンの原因、メカニズム、症状、予防法について学ぶ(第8回と2回)
第10回
第6章 食品添加物および残留農薬等(1) 
教科書 第6章 p.142-168
食品添加物、残留農薬、動物用医薬品、器具および容器包装の定義および分類、基準、安全性評価と新開発食品(遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品)の概要について学ぶ(第11回と2回)
第11回
第6章 食品添加物および残留農薬等(2)
教科書 第6章 p.142-168
食品添加物、残留農薬、動物用医薬品、器具および容器包装の定義および分類、基準、安全性評価と新開発食品(遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品)の概要について学ぶ(第12回と2回)
第12回
第7章 食品衛生管理(1)
教科書 第7章 p.169-189
HACCPシステムと大量調理施設衛生管理マニュアル及びその他の衛生管理システムの概要について学ぶ(第13回と2回)
第13回
第7章 食品衛生管理(2)
教科書 第7章 p.169-189
HACCPシステムと大量調理施設衛生管理マニュアル及びその他の衛生管理システムの概要について学ぶ(第12回と2回)
第14回
第8章 食品表示制度
教科書 第8章 p.190-220
食品衛生法及び食品表示法に基づく食品表示、 健康増進法に基づく保健機能食品と特別用途食品の概要について学ぶ
第15回
食品衛生についてのまとめ
教科書全般
過去10年間に出題された管理栄養士国家試験問題の中で食品衛生分野が関係する問題をピックアップし解説する
第16回
定期試験
予習・復習
教科書を使った予習が必要です。授業に先立って必ず教科書の該当するページをしっかりと読み込み、わかった点や疑問点をまとめてください。復習では、できるだけその日のうちに授業内容をノートにまとめ、足りないところを補足し、自分なりに完成させてください。おおよその目安として、各回予習・復習に2時間程度は必要です。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
・ 定期試験(70%)・・・管理栄養士国家試験の出題問題を改変して出題します。
・ レポート(20%)・・・レポートは添削して返却します。必ず期日までに提出してください。
・ 受講態度(10%)・・・出席重視

8.参考図書・文献
新・食品衛生学
藤井建夫・塩見一雄
恒星社厚生閣
978-4-7699-1676-5

9.履修上の注意
(1)本科目は、卒業に必要な専門科目であり、栄養士資格取得、管理栄養士国家試験受験資格取得、食品衛生管理者及び食品衛生監視員の任用資格取得に必要な規定科目になっています。
(2)受講に際して、心配や不安なことがある場合は、必ず担当教員に相談してください。事情によっては、特別な配慮を行う場合があります。