シラバス情報

科目名
食品学実験Ⅰ (火曜Ⅰ・Ⅱ校時)
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
1単位
時間
火曜日Ⅰ・Ⅱ校時(9:30〜11:55)(A・B組)
教室
実験室2
122教室(期末試験時)
教科書
『Nブックス実験シリーズ 食品学実験』(青柳・有田編著、建帛社)

1.担当教員
担当教員
小嶋 文博
研究室
1号館6階169室
オフィスアワー
月曜日10:40〜12:10

2.授業の目的
(1)授業の目的
滴定操作を行う定量分析や食品成分の性質を見る定性分析、分光光度計を用いた定量分析などの実験を通して、実験操作を正確に行えるようになること、分析等の原理を説明できるようになること、実験結果に対して適切な考察を行えるようになることを目的とする。また食品学Ⅰで学ぶ知識に関する実験を組んでいるので、座学で学んだことを実験(実見)で確かめ、知見を広めることも目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①化学実験の基礎的な注意事項、試薬や器具の取り扱い方を理解し、間違わずに実験を行える。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
②定性実験を通して、ヤマイモ、ジャガイモ、米などのデンプンの性質、牛乳のカゼインの等電点沈澱、卵黄や大豆のリン脂質の乳化性、脂溶性色素と水溶性色素の違い、酵素的褐変と非酵素的褐変の違いなどについて理解を深め、説明ができる。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
③定量実験を通して、中和反応、酵素反応、ラジカル捕捉反応、魚や卵の鮮度判定などについて理解を深め、説明ができる。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
食品学実験Ⅰでは、最初に化学実験の基礎的な注意事項、試薬や器具の取扱い方と実験における有効数字や濃度の単位について講義を行う。基本的事項に関する座学の後に、溶液の密度測定、食品のpH測定、光学顕微鏡を用いた食品内部の観察、古米と新米の判別、デンプンの糊化試験、牛乳カゼインの分離、油脂の乳化、果実の糖度と酸度測定、果実のプロテアーゼ(酵素)による食肉タンパク質の分解、ヘム色素・カロテノイド・クロロフィル・アントシアニン・フラボノイド色素の色調変化、酵素的褐変と非酵素的褐変(アミノ・カルボニル反応)、中和滴定、ビタミンCの定量、抗酸化試験、魚の鮮度判定、鶏卵の鮮度判定などの実験を行う。これらの実験を通して、食品と実験の両方に興味をもっていただき、かつ、基本的な実験操作を身につけていただいて、本格的な定量分析を中心とした食品学実験Ⅱへの足掛かりとする。
【アクティブ・ラーニング】
レポート作成時には、グループディカッションを取り入れ、得られた実験結果に対するグループとしての考察を記してもらいます。
【ICT活用授業】
実験レポートの入力と提出、採点されたレポートの確認のために毎回ノートパソコンを持参してください。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
【6. 授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間】にそって授業を行うので、教科書または配布資料の該当するテーマ・内容の部分に目を通し、当日に行う実験のイメージを抱いてくること。
(2)授業の受け方
多くの時間をかける必要はないが、どんな内容のことを行うのかについて【予習】をしておくことが必要である。実験当日は、実験の原理や具体的な実験操作について説明を行った後で実験を開始するので、その説明をよく聴いてメモを取るなどしておくことが実験を成功させる秘訣である(実験が成功する=予想通りの結果が得られる)。実験は毎回グループ単位で行い、レポート提出もグループ単位である。実験レポートの提出書式をWeb上に提示するので、それに入力して実験実施当日中の指定された時間内に提出すること。
(3)復習の仕方
提出された実験レポートは評価した後、翌週にWeb上で返却するので、改めて実験当日のことを思い出し、特に実験がうまくいかなかった場合の理由や実験結果に関する考察の仕方の問題点などを、他のグループのレポート評価等を参考に反省し学習しておくこと。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
・受講時は、私語を慎み、説明をよく聴き、積極的に実験に取り組むこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
・遅刻が20分を超えた場合は欠席扱いとする。また遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席扱いとする。
・欠席した際の「欠席届」の提出は不要である。また欠席する際の連絡(メール等)も不要である。
(3)欠席回数・実験レポート未提出回数の扱い
・実験15回のうち、欠席回数が5回以上の者は期末試験を受験できない(すなわち再履修となる)。
(4)実験レポート提出にあたってのルール
・指示した提出期限(通常は当日)までに提出すること。提出期限に遅れた場合は減点対象とする。
(5)期末試験時の不正行為の扱い
・カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション(シラバスの確認)
実験の基礎知識①
実験の心得、実験器具の種類と使用方法、実験器具の洗浄・乾燥・保管法、試薬の取扱いと調製、レポート作成について
【予習】教科書該当箇所(1〜17頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】教科書、配布資料の見直し。
第2回
実験の基礎知識②
物質量、平均値・分散・標準偏差、有効数字、物質量や濃度を表す単位について
【予習】教科書該当箇所(1〜17頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】教科書、配布資料の見直し。
第3回
溶液の密度測定、食品のpH測定
【予習】講義資料(1〜2頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第1回実験レポート
※参照:教科書3頁、14頁
第4回
光学顕微鏡による結晶(シュウ酸Ca・デンプン)の観察
【予習】講義資料(2〜3頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第2回実験レポート
※参照:教科書47頁
第5回
古米と新米の判別、デンプンの糊化試験
【予習】講義資料(4〜5頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第3回実験レポート
※参照:教科書48〜49頁
第6回
牛乳カゼインの分離とカゼインの等電点
油脂の乳化に関する観察
【予習】講義資料(6〜7頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第4回実験レポート
※参照:教科書21〜22頁、24頁、38〜39頁
第7回
果実の糖度・酸度および品質
果実プロテアーゼによる食肉タンパク質の分解
【予習】講義資料(7〜9頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第5回実験レポート
※参照:教科書40〜45頁
第8回
色素に関する実験①
ヘム色素・クロロフィル色素の加熱変化
【予習】講義資料(10〜12頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第6回実験レポート
※参照:教科書78〜81頁
第9回
色素に関する実験②
アントシアニン色素・フラボノイド色素の加熱変化
【予習】講義資料(13〜14頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第7回実験レポート
※参照:教科書64〜67頁
第10回
酵素的褐変,非酵素的褐変(アミノ・カルボニル反応)
【予習】講義資料(15〜17頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第8回実験レポート
※参照:教科書72〜77頁
第11回
有機酸の定量(中和滴定)
【予習】講義資料(17〜18頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第9回実験レポート
※参照:教科書7〜9頁、82〜83頁
第12回
ビタミンCの定量
【予習】講義資料(18〜20頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第10回実験レポート
※参照:教科書56〜58頁
第13回
抗酸化試験(DPPHを使ったラジカル捕捉活性の測定)
【予習】講義資料(20〜22頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第11回実験レポート
※参照:教科書86〜87頁
第14回
魚介類の鮮度判定
【予習】講義資料(22〜23頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第12回実験レポート
※参照:教科書88〜89頁
第15回
鶏卵の鮮度判定(卵白係数・卵黄係数・ハウユニット)
【予習】講義資料(23〜25頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第13回実験レポート
※参照:教科書90〜91頁
第16回
期末試験
予習・復習
食品学実験Ⅰは実験・実習科目で1単位なので、予習・復習の時間設定はしておりませんが、予習・復習欄に教科書または講義資料の該当頁が記されている場合には、その箇所を読んでおくことが予習(5〜10分程度でよい)として必要である。また復習については、予習・復習欄に記されていることを短い時間で実行しておくことが大切である。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)予習テスト(10%):毎回【予習】の確認テストを行い、全回分の総得点を10点分に換算する。欠席した場合は受験できず、0点となる。
〈到達目標①〉
(2)実験レポート(40%):実験レポートの提出は全部で13回ある。全回分で40点とする。ただし、欠席した回のレポート点数は0点とする。
〈到達目標①、到達目標②、到達目標③〉
(3)期末試験(50%):実験等を通して学んだ知識と理解度を測るために筆記試験を行う(予め練習問題を配布する場合あり)。
〈到達目標②、到達目標③〉
(4)受講態度:1回でも受講時のマナーが悪かった場合は、最終的な評価の段階で最大10点の範囲で減点する場合がある。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)本科目は、健康栄養学科の卒業必修科目ですので、健康栄養学科の学生は、必ず履修してください。
(2)本科目は、栄養士資格、管理栄養士国家試験受験資格、食品衛生管理者及び食品衛生監視員任用資格のための履修要件科目となっています。
(3)受講に際して、特別な事情や不安・心配などがある場合には、第2回授業までの間に必ず担当教員にご相談ください。状況に応じて特別な対応や特別な配慮を行える場合があります。第2回以降、履修の途中で特別な事情等が生じた場合についても、できるだけ早くご相談ください。相談が遅れると、対応が全く不可能になる場合があります。