シラバス情報

科目名
生化学実験 (木曜Ⅰ・Ⅱ校時)
開講年度学期
2024年度後期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
1単位
時間
木曜日Ⅰ・Ⅱ校時(9:30〜11:55)(A組)
教室
実験室2
124教室(期末試験時)
教科書
『Nブックス実験シリーズ 生化学実験』(後藤潔編著、建帛社)

1.担当教員
担当教員
小嶋 文博
研究室
1号館6階169室
オフィスアワー
水曜日13:00〜14:30

2.授業の目的
(1)授業の目的
生体内の化学反応に関わる酵素(タンパク質)と遺伝情報の保存・伝達に関わるDNAの性質・扱い方・特性について理解し、例をあげて説明できるようになることを目的とする。また分子生物学的な実験手法(PCR、ELISA等)や遺伝子組換え技術についても原理を理解し、例をあげて説明できるようになることを目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①実験の基本操作、ピペット操作がきちんとでき、試薬の希釈法を説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
②酵素の基質特異性、最適温度、最適pH、Vmax、Km、酵素阻害剤などについてグラフを描いて説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
③タンパク質や核酸の扱いができ、その構造的違いや分析・検出法について説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
④電気泳動やブロッティング、ELISA、PCRの原理やそれらの応用法について説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
⑤遺伝子多型と遺伝子変異の違いについて例をあげて説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
⑥大腸菌を例に遺伝子組換え技術の特長と欠点・注意点について説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
生化学実験は、食品学実験等と比較して、生体成分である核酸などの「微量」を扱う場合が多いため、実験操作の不慣れが実験結果に及ぼす影響が大きい。そこで、生化学実験では「微量」を正確に扱えるよう、ピペット操作と希釈操作の鍛錬を初めに行う。それから、タンパク質を扱う基本的な実験、タンパク質のSDS-PAGE(電気泳動)による同定、酵素を用いた実験(酵素活性の測定)、ヒトDNAの抽出と定量の実験、ポリメラーゼ連鎖反応による特定遺伝子の増幅と遺伝子多型の判定、大腸菌への遺伝子導入実験などを行う。これらを通して、生体成分(DNAやタンパク質、酵素)の扱いを注意深くできるようになり、酵素と酵素反応についての理解を深められ、さらに電気泳動やブロッティング、ELISA、PCR、遺伝子組換えなどの技術の基本原理を説明できるようなっていく。
【アクティブ・ラーニング】
レポート作成時には、グループディカッションを取り入れ、得られた実験結果に対するグループとしての考察を記してもらいます。
【ICT活用授業】
特に酵素反応の実験を行う第8〜10回の授業では、正確な検量線を描いたり、複雑なグラフを描くために必要なノートパソコンを持参してください(その他の回でもノートパソコンを持参していると実験結果のまとめがスムーズにできる場合が多いです)。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
【6. 授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間】にそって授業を行うので、教科書または配布資料の該当するテーマ・内容の部分に目を通し、当日に行う実験のイメージを抱いてくること。
(2)授業の受け方
多くの時間をかける必要はないが、どんな内容のことを行うのかについて【予習】をしておくことが必要である。実験当日は、実験の原理や具体的な実験操作について説明を行った後で実験を開始するので、その説明をよく聴いてメモを取るなどしておくことが実験を成功させる秘訣である(実験が成功する=予想通りの結果が得られる)。実験は毎回グループ単位で行い、レポート提出もグループ単位である。実験レポートの提出書式を配布するので、それに記入して実験実施当日中の指定された時間内に提出すること。
(3)復習の仕方
提出された実験レポートは評価した後、翌週に返却するので、改めて実験当日のことを思い出し、特に実験がうまくいかなかった場合の理由や実験結果に関する考察の仕方の問題点などを、他のグループのレポート評価等を参考に反省し学習しておくこと。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
・受講時は、私語を慎み、説明をよく聴き、積極的に実験に取り組むこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
・遅刻が20分を超えた場合は欠席扱いとする。また遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席扱いとする。
・欠席した際の「欠席届」の提出は不要である。また欠席する際の連絡(メール等)も不要である。
(3)欠席回数・実験レポート未提出回数の扱い
・実験15回のうち、欠席回数が5回以上の者は期末試験を受験できない(すなわち再履修となる)。
(4)実験レポート提出にあたってのルール
・指示した提出期限(通常は当日)までに提出すること。提出期限に遅れた場合は減点対象とする。
(5)期末試験時の不正行為の扱い
・カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション(シラバスの確認)
第1章 生化学実験の基礎知識
1. 生化学実験の基礎知識
【予習】教科書該当箇所(1〜10頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】教科書の見直し。
第2回
第1章 生化学実験の基礎知識
2. ピペット操作:プランジャーピペット
3. 希釈法
【予習】教科書該当箇所(11〜19頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第1回実験レポート
第3回
第2章 生体高分子の抽出と精製
1. DNAの抽出と定量
【予習】教科書該当箇所(20〜23頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第2回実験レポート
第4回
第2章 生体高分子の抽出と精製
2. たんぱく質の抽出と定量
【予習】教科書該当箇所(24〜27頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第3回実験レポート
第5回
第2章 生体高分子の抽出と精製
3. たんぱく質の精製
(2)リゾチーム活性の測定
【予習】教科書該当箇所(28〜29頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第4回実験レポート
第6回
電気泳動・ブロッティングとELISA、PCRについて(講義中心)
【予習】講義資料を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】専門用語と小テスト問題の復習。
※講義資料はUNIPA上に掲載。
※講義のあとに小テストあり。
第7回
第2章 生体高分子の抽出と精製
4. SDS-PAGEによるタンパク質の同定
【予習】教科書該当箇所(32〜35頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第5回実験レポート
第8回
第3章 酵素活性の測定
1. 反応至適条件
(1)p-ニトロアニリンの検量線作成
(2)酵素活性に及ぼすpHの影響
【予習】教科書該当箇所(36〜38頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第6回実験レポート
第9回
第3章 酵素活性の測定
(3)酵素活性に及ぼす温度の影響
(4)酵素活性に及ぼす基質濃度の影響
(5)ミカエリス-メンテン型酵素の反応速度論
【予習】教科書該当箇所(39〜42頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第7回実験レポート
第10回
第3章 酵素活性の測定
3. 酵素反応の阻害
【予習】教科書該当箇所(48〜53頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第8回実験レポート
第11回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
1. 口腔粘膜細胞(または毛髪)からのDNA抽出
【予習】教科書該当箇所(71〜73頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第9回実験レポート
第12回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
2. ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの増幅
【予習】教科書該当箇所(74〜75頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】PCRについて説明できるかを確認すること。
第13回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
4. アガロースゲル電気泳動法によるPCR断片長の判定
【予習】教科書該当箇所(76〜79頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第10回実験レポート
第14回
第8章 遺伝子導入実験(講義中心)
1. 大腸菌への遺伝子導入
【予習】教科書該当箇所(92〜96頁)を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
※講義資料配布
第15回
第8章 遺伝子導入実験
1. 大腸菌への遺伝子導入
2. 形質転換効率の測定(翌日)
【予習】講義資料を読んでおくこと(予習テストあり)。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第11回実験レポート
第16回
期末試験
予習・復習
生化学実験は実験・実習科目で1単位なので、予習・復習の時間設定はしておりませんが、予習・復習欄に教科書等の該当頁が記されている場合には、その箇所を読んでおくことが予習(5〜10分程度でよい)として必要である。また復習についても、予習・復習欄に記されていることを短い時間で実行しておくことが大切である。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)予習テスト(10%):毎回【予習】の確認テストを行い、全回分の総得点を10点分に換算する。欠席した場合は受験できず、0点となる。
〈到達目標①、到達目標②、到達目標③、到達目標④、到達目標⑤、到達目標⑥〉
(2)実験レポート(40%):実験レポートの提出は全部で11回ある。全回分で40点とする。ただし、欠席した回のレポート点数は0点とする。
〈到達目標①、到達目標②、到達目標③、到達目標④、到達目標⑤、到達目標⑥〉
(3)期末試験(50%):実験等を通して学んだ知識と理解度を測るために筆記試験を行う(予め練習問題を配布する場合あり)。
〈到達目標①、到達目標②、到達目標③、到達目標④、到達目標⑤、到達目標⑥〉
(4)受講態度:1回でも受講時のマナーが悪かった場合は、最終的な評価の段階で最大10点の範囲で減点する場合がある。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)本科目は、健康栄養学科の卒業必修科目ですので、健康栄養学科の学生は、必ず履修してください。
(2)本科目は、栄養士資格、管理栄養士国家試験受験資格、食品衛生管理者及び食品衛生監視員任用資格のための履修要件科目となっています。
(3)受講に際して、特別な事情や不安・心配などがある場合には、第2回授業までの間に必ず担当教員にご相談ください。状況に応じて特別な対応や特別な配慮を行える場合があります。第2回以降、履修の途中で特別な事情等が生じた場合についても、できるだけ早くご相談ください。相談が遅れると、対応が全く不可能になる場合があります。