シラバス情報

科目名
刑事司法と福祉
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
4年
ナンバリング
単位
2単位
時間
前期金曜日1時限
教室
教科書
菅原好秀著『司法と福祉』(建帛社)2023年

1.担当教員
担当教員
菅原 好秀
研究室
非常勤講師控室
オフィスアワー
授業の開始前30分間、授業終了後30分間

2.授業の目的
(1)授業の目的
①高齢者の犯罪や精神障害者の犯罪、非行少年の問題などは刑事司法機関だけでは対応できないため、福祉関係機関と刑事司法機関が密に連携しながら社会全体で一体となって再犯を防止し社会復帰させることを目的としているのが「刑事司法と福祉」である。社会福祉士養成課程と精神保健福祉士の養成課程に「刑事司法と福祉」が追加されたことを踏まえて、司法福祉全体を概観し、相談援助活動に必要な刑事司法制度について理解することを目的とする。
②大学生として身に付けておくべき刑事司法の法律と制度の理解の向上を図ることを目的とする。
③刑事司法と福祉を学ぶことにより、論理的・創造的な法的思考能力を図ることを目的とし、修得した知の経験を社会や他者のために還元できる意欲と能力の向上を図ることを目的とする。
④心理福祉の視点から、刑事司法の現状と課題について理解できることを目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①刑事司法制度の制度概要を理解できる。
②保護観察の制度趣旨と問題点を理解できる。
③医療観察制度の制度趣旨と問題点を理解できる。
④非行少年と高齢犯罪者の処遇と実態を理解できる。
⑤子ども、障害者、高齢者で問題となった裁判事例を踏まえて、刑事司法機関と福祉関係機関との連携のあり方について説明できる。
 本科目は、心理福祉学科のディプロマ・ポリシーのうち、刑事司法と福祉の理解を通じて、「社会福祉学の知識や技能を基盤として、個人と社会を関連づけながら幸福とは何かを追求する能力を身につけている。」の達成を目指す科目で、特に刑事司法に関する法律と制度の本質を理解し、刑事司法の対象者である犯罪者・非行少年の再犯防止・社会復帰のために必要な法制度の理解の向上を目指す科目である。
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 障害者(特に精神障害者)の犯罪、高齢犯罪者、非行少年の現状と課題を踏まえて、警察、検察、裁判、矯正の刑事司法段階から更生保護段階までを概観し、これからの新しい刑事司法制度のあり方について犯罪者及び非行少年の改善・更生・社会復帰に向けて、心理福祉の視点から何が必要なのかについて事例を挙げながら説明する。また、アクティブ・ラーニングを通して刑事司法の体験知や実践力をつける。刑事司法制度では犯罪者及び非行少年の改善・更生・社会復帰に向けて、心理福祉の視点から何が必要なのかについて説明する。また、アクティブ・ラーニングを通して体験知や実践力をつけ、刑事司法の法律と制度の現状と課題について、事例を挙げてディスカッションやグループワークを行う。
 毎回の授業のショートレポート(ユニパ)または指定用紙の提出を求める。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
教科書 菅原好秀著『司法と福祉』(建帛社 2023年)を使った予習が必要。授業前に必ず該当する教科書のページに目を通して、疑問点をまとめてくること。
(2)授業の受け方
授業中に重要だと思ったことや疑問に思ったことなどはメモをすること。
(3)復習の仕方
その日のうちにノートにまとめ、疑問点を調べて加筆しておく。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
 受講時は、私語を慎み、居眠り・内職等は行わないこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
 遅刻3回で1回の欠席とみなす。欠席した場合は、「欠席届」を提出すること。
(3)試験時の不正行為の扱い
 カンニング等の不正行為を行った場合は試験の点数を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション…刑事司法と福祉とは何か、制度の枠組みを理解する。
(予習)教科書「はしがき」、第1章「刑事司法と更生保護」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパで提出する。
第2回
更生保護と刑事司法…各制度の名称、社会福祉士及び精神保健福祉士の役割を理解する。
(予習)教科書「第1章 刑事司法と福祉」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第3回
再犯防止の具体的な取り組み…犯罪者の再犯防止対策の制度の枠組みを理解する。
(予習)教科書「第1章第2節 再犯防止の具体的な取り組み」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第4回
刑法と刑事司法手続…刑法と罪刑法定主義について理解する。
(予習)教科書「第2章 刑法と刑事司法手続 第1節 刑法の基本原理」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第5回
犯罪の成立要件と刑事手続の概要 …犯罪の成立要件と刑事手続の概要について理解する。
(予習)教科書「第2章第2 節 犯罪の成立要件と刑事手続の概要」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第6回
更生保護制度…更生保護制度の目的、趣旨について理解する。
(予習)教科書「第3章更生保護制度総論 第1節 更生保護の目的」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第7回
保護観察 …保護観察の目的、内容、手続きについて理解する。
(予習)教科書「第4 章更生保護各論 第1 節 保護観察」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第8回
保護観察の機能…保護観察の手続きについて理解する。
(予習)教科書「第4 章第1節4 保護観察における処遇と保護観察官の役割」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第9回
専門的処遇プログラム…性犯罪者、薬物再乱用、暴力防止及び飲酒運転防止プログラムについて理解する。
(予習)教科書(第4 章第1節6(3)特別遵守事項における専門的処遇プログラム)を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第10回
仮釈放 …仮釈放の目的と種類について理解する。
(予習)教科書「第4章第2節 仮釈放等 」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第11回
更生緊急保護制度…更生緊急保護制度の趣旨、目的、役割について理解する。
(予習)教科書「第4章第3節 更生緊急保護」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第12回
更生保護における犯罪被害者等施策 …犯罪被害者等施策の意義、役割について理解する。
(予習)教科書「第4章第4節 更生保護における犯罪被害者等施策 」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第13回
恩赦…恩赦の意義、種類、役割について理解する。
(予習)教科書「第4章第5節 恩赦」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第14回
医療観察制度 …医療観察制度の背景、趣旨、目的、役割について理解する。
(予習)教科書「第5 章 医療観察制度」 を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第15回
少年非行 …少年非行の種類、要因、手続きについて理解する。
(予習)教科書「第6章 少年非行」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第16回
定期試験
1回目から15回目までの授業の学修到達度の定期試験を行うため、授業で指摘した該当箇所を熟読すること。
予習・復習
教科書 菅原好秀著『司法と福祉』(建帛社 2023年)を使った予習が必要。授業前に必ず該当する教科書のページに目を通して、疑問点をまとめてくること。復習では、その日のうちにノートにまとめ、疑問点を調べて加筆しておく。目安の時間として、授業1コマにつき、予習・復習合わせて240分が必要。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1) 試験(60%)…穴埋め問題、論述問題を出題する。
(2) 参加意欲(40%)…発言や授業内の活動への参加を考慮し、授業の最後にその日に実施した内容を踏まえて簡単
な確認テストを実施する。また、毎回前回の講義内容をユニパで最低200字程度にまとめてレポート提出する。
(3)毎回の確認テスト、レポート、課題の結果については講義の中で適宜改善点を示しフィードバックします。

8.参考図書・文献
『権利擁護と法』
菅原好秀
建帛社
978-4-7679-3394-8

9.履修上の注意
受講に際して、特別な事情がある場合、特別な心配や不安なことがある場合は、必ず2回目の授業までに担当教員に相談して下さい。事情によっては、レポートなどの代替課題を課すなどの、特別な配慮を行う場合があります。
[一時的な遠隔授業の対応について]
・遠隔授業には対応していません(欠席となります)。
[(自然)災害時の授業対応について]
・遠隔授業を実施しますので、対面授業が中止になった当日は、必ずユニパを確認して下さい。