シラバス情報

科目名
心理学実験Ⅰ
開講年度学期
2024年度後期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2単位
時間
火曜日ⅣⅤ時限(14:40〜17:50)
教室
5号館531
5号館532
5号館533
5号館コンピュータ演習室Ⅰ
5号館コンピュータ演習室Ⅱ
※ 初回授業は5号館531に集合
教科書
『三訂版 心理学論文の書き方—卒業論文や修士論文を書くために』(松井豊 著、訳、河出書房)

1.担当教員
担当教員
結城 裕也、新田 史暁、渡邊 兼行
研究室
渡邊兼行 5号館3階
結城裕也 5号館4階
新田史暁 1号館非常勤講師室
オフィスアワー
渡邊兼行 火曜日 10:30〜11:30、金曜日 10:30〜11:30
結城裕也 月曜日 10:40〜12:10
新田史暁

2.授業の目的
(1)授業の目的
 「心理学」という学問の大きな特徴のひとつに、その実証的態度が挙げられます。実証的とは、事実に基づいて証拠立てることです。心理学は、文字通り人の心と行動についての法則を打ち立てることを目的とする学問ですが、それも単なる思弁ではなく、綿密な観察に基づいた事実に裏付けられた証拠を重視します。そしてこの事実に裏付けられた証拠を収集する強力な方法が実験にほかなりません。ですから、実験をどのように計画し、それをどのように遂行し、集められたデータをどのように処理し、それをどのように解釈し、それらをどのように報告するのか、という一連のプロセスをマスターすることは、心理学にとってとても大切なことなのです。この「心理学実験Ⅰ」では、そういった心理学実験の基礎を学びます。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 「心」を測定するためのさまざまな方法を体験的に学ぶ。
 〈心福DP5①〉
② 実験を通して得られたデータをまとめられる(記述統計、表、グラフ)。
 〈心福DP5②〉
③ 人の心のはたらきや行動を説明したり解釈したりするためのデータの読み方を身に付ける。
 〈心福DP5①、心福DP5②〉
④ 得られた結果を報告するための実験レポートを書けるようになる。
 〈心福DP5①、心福DP5③〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 授業の前半(第2回〜第6回)に行われる「集団式知能検査」や「ミュラー・リヤー錯視」などは、受講者全体で行います。第6回では「ミュラー・リヤー錯視」の実験結果をもとに、実験レポートの作成方法を説明します。授業の後半(第7回〜第15回)は、3つの班にわかれて、班ごとにそれぞれの実験担当者の指示のもと実験を進めます。1つの実験は3回(6コマ)で1ブロックとなります(レポート指導を含む)。各ブロックの流れは、①実験の解説を聞く、②実験の準備をする、③実験を実施する、④データをまとめる、⑤実験レポートを書く、となります。
実験によっては作業が多くなる場合があります。その際、特別な持ち物が必要になる場合は、前もってお知らせしますので、忘れないようにしてください。
※ 班の数は履修者数に応じて変更の可能性があります。

※ 学生の主体的な参加が必要となるアクティブラーニングを取り入れた授業になります。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
 実験実習ですので、基本的に予習は必要ありません。ただ、前期に習った統計(「心理学統計法Ⅰ」)は、この授業でも求められるスキルですので、不十分な人はしっかりと復習しておきましょう。
(2)授業の受け方
 実験実習ですので、実験の準備をしたり、実験を実際に行ったり、データを分析したりといった、手を動かす作業が中心となります。ですから、出席して実際に自分で作業しないことには意味がありません。欠席・遅刻・早退がないようにするのはもちろんですが、出席するだけではなく、さまざまな作業に積極的に参加することが求められます。
 データの分析には個人のPCを持参してもらう場合があります。EXCELを使用するので、各自で用意してください。なお、本学がMicrosoftとライセンス契約を結んでいるため、Student Advantageを利用することで、本学学生は無料でEXCELをインストール可能です。詳細は以下のリンクから手順書を確認してください。

https://ssis.sendai-shirayuri.ac.jp/page-750/
(3)復習の仕方
 実験結果のデータ入力や分析などが宿題として出される場合があります。また、各実験テーマ後にはレポート課題が出されますので、そのための文献調査も復習として必要でしょう。手を抜かずにコツコツと行って下さい。

5.受講にあたってのルール
(1)作業が中心の授業ですので、それ以外の活動やその妨げになる活動は当然認められません。私語、授業と関係ない作業、居眠り等は厳禁です。
(2)作業が中心ですので、欠席、遅刻、早退は基本的に認められません。内容によっては途中参加が出来ないものもありますので、軽い遅刻のつもりが結局欠席になってしまう場合もあります。時間厳守で集合しましょう。
(3)実験レポートは、必ず〆切までに提出しましょう。〆切までに提出しない場合には評価が与えられない可能性があります。また、止むを得ない理由で〆切を過ぎてしまう場合には、必ず事前に担当の教員に相談しましょう。なお、レポート課題の〆切は、特に指示がない限りは2週間後の18:00となります。
(4)紛失などの万が一の場合に備えてすぐに対応できるようにするため、レポートの提出の際には、必ず信用できるメディアに保存をして消さないようにして下さい。虚偽の紛失を疑われないための自衛の手段です。
(5)他人のレポートの内容の全部または一部を丸写しして、自分で書いたレポートとして提出する行為は盗作・剽窃として厳しく禁じられます。そのような行為が発覚した場合はそのレポートを評価しませんので、結果としてこの科目は不合格になります。十分に注意してください。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
ガイダンス・班分け 等
10月1日
第2回
集団式知能検査・内田クレペリン精神作業検査
10月8日
担当:新田
第3回
集団式知能検査・内田クレペリン精神作業検査
レポート課題
10月15日
担当:新田
第4回
ミュラー・リヤー錯視
10月22日
担当:(主)渡邊、(副)結城、新田
第5回
ミュラー・リヤー錯視
10月29日
担当:(主)渡邊、(副)結城、新田
第6回
心理学実験レポートの書き方
レポート課題
11月5日
担当:(主)渡邊、(副)結城、新田
第7回
1班:ストループ効果(Ⅳ:実験材料の作成、Ⅴ:実験の実施)
2班:脈拍とストレス(Ⅳ:脈拍計測法の説明、V:実験の説明と実施)
3班:質問紙法の基礎(Ⅳ:質問紙法の概要説明、Ⅴ:データ収集)
11月12日
第8回
1班:ストループ効果(Ⅳ:データの集計・分析、Ⅴ:考察・まとめ)
2班:脈拍とストレス(Ⅳ:データの集計・分析、V:考察・まとめ)
3班:質問紙法の基礎(Ⅳ:データ分析、Ⅴ:考察と研究のまとめ方)
レポート課題
11月19日
第9回
レポート指導
11月26日
第10回
1班:脈拍とストレス(Ⅳ:脈拍計測法の説明、V:実験の説明と実施)
2班:質問紙法の基礎(Ⅳ:質問紙法の概要説明、Ⅴ:データ収集)
3班:ストループ効果(Ⅳ:実験材料の作成、Ⅴ:実験の実施)
12月3日
第11回
1班:脈拍とストレス(Ⅳ:データの集計・分析、V:考察・まとめ)
2班:質問紙法の基礎(Ⅳ:データ分析、Ⅴ:考察と研究のまとめ方)
3班:ストループ効果(Ⅳ:データの集計・分析、Ⅴ:考察・まとめ)
レポート課題
12月10日
第12回
レポート指導
12月17日
第13回
1班:質問紙法の基礎(Ⅳ:質問紙法の概要説明、Ⅴ:データ収集)
2班:ストループ効果(Ⅳ:実験材料の作成、Ⅴ:実験の実施)
3班:脈拍とストレス(Ⅳ:脈拍計測法の説明、V:実験の説明と実施)
12月24日
第14回
1班:質問紙法の基礎(Ⅳ:データ分析、Ⅴ:考察と研究のまとめ方)
2班:ストループ効果(Ⅳ:データの集計・分析、Ⅴ:考察・まとめ)
3班:脈拍とストレス(Ⅳ:データの集計・分析、V:考察・まとめ)
レポート課題
1月7日
第15回
レポート指導・まとめ
1月14日
第16回
1月21日
(予備日)
予習・復習
 実験実習のため予習は必要ないが、前期に学んだ統計の知識について、よく確認しておくこと。
 各実験テーマの終わりにレポート課題が課せられる。実験結果の統計的分析や先行研究の検索などの作業も復習の一部として必要となる。平均して各回2時間程度がおおよその目安である。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)出席しての作業への参加(約50%)…基本的には出席に関する評価ですが、出席しても作業への取り組みが悪い場合などには、減点される場合もあります。
 〈到達目標①、到達目標②〉
(2)実験レポート(約50%)…実験テーマごとに出されるレポートを評価します。評価基準は、実験レポートの書式にのっとっているか否かです。
 〈到達目標③、到達目標④〉
(3)以下の場合にはレポートを受け付けませんので、よく注意してください。
・ 全体で6回以上の欠席があった場合 → すべてのレポートを受け付けません。
・ 各ブロックで3回中3回とも欠席した場合 → そのブロックのレポートを受け付けません。
(4)レポートの未提出が一つでもあった場合は、この授業の評価は「不合格」となります。
※ 原則としてレポートは添削されて返却されます。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)「心理学統計法Ⅰ」を前期に履修した上で、同時並行で「心理統計法Ⅱ」を履修することが、前提となります。「心理学統計法Ⅰ」を履修はしたが単位の修得が不可であった場合、または事情により未履修である場合は、個別に相談に応じますので、第2回授業までに担当者まで相談に来てください。
(2)心理コースの必修科目です。
(3)認定心理士、認定心理士(心理調査)、公認心理師を取得するための必修科目です。
(4)ほとんどの実験は、ペアやグループにわかれて他者と共同で行われます。また、実験の中には様々な刺激を見たり聞いたりして、自分がどのように感じたかを表す必要があるものがあります。実験に参加するにあたって、不安な点がある場合や事前に相談しておきたいことがある場合は、第2回授業までに担当者まで申し出てください。代替課題を出すなどの配慮をする場合があります。
(5)台風や地震などの自然災害が発生した場合、この科目は性質上オンラインでの授業実施ができません。そのような場合は休講となり、後日補講で対応することになります。