心理学を初めて学ぶ人はイメージしづらいかも知れないが,時に心理学は「限りなく理系に近い文系」と呼ばれることがある。それは,心理学では人の心を数字(数値)に置き換えて分析することで,自分の仮説を証明することが可能となるからである。調査や実験で得られた生のデータは単なる数字の羅列に過ぎないが,この数字を一定の法則に基づいてまとめたり,加工することによって『このデータの特徴は○○である』と説明することができる。 このように,本講義では調査や実験などで得られたデータを他の人にわかりやすい形に加工したり,データが示す傾向を客観的に読み取ったり,統計的な検定を行い調査者,実験者の仮説を検証することができるようなデータ処理のための基礎知識の習得を目的とする。 本講義では,心理学統計法Ⅱで統計的仮説検定を学ぶにあたり,心理統計として最低限押さえておくべき基礎的な事柄を中心に進めていく。
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