シラバス情報

科目名
心理学統計法Ⅰ
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2単位
時間
木曜日3限
教室
121教室
教科書
『やさしく学べる心理統計法入門ーこころのデータ理解への扉その3』再増補版(鈴木 公啓 著,ナカニシヤ出版)

1.担当教員
担当教員
結城 裕也
研究室
5号館4階
オフィスアワー
月曜日2時限(10:40〜12:10)

2.授業の目的
(1)授業の目的
心理学を初めて学ぶ人はイメージしづらいかも知れないが,時に心理学は「限りなく理系に近い文系」と呼ばれることがある。それは,心理学では人の心を数字(数値)に置き換えて分析することで,自分の仮説を証明することが可能となるからである。調査や実験で得られた生のデータは単なる数字の羅列に過ぎないが,この数字を一定の法則に基づいてまとめたり,加工することによって『このデータの特徴は○○である』と説明することができる。
このように,本講義では調査や実験などで得られたデータを他の人にわかりやすい形に加工したり,データが示す傾向を客観的に読み取ったり,統計的な検定を行い調査者,実験者の仮説を検証することができるようなデータ処理のための基礎知識の習得を目的とする。
本講義では,心理学統計法Ⅱで統計的仮説検定を学ぶにあたり,心理統計として最低限押さえておくべき基礎的な事柄を中心に進めていく。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 様々な種類のデータに対して適切な分析方法を選択し,分析を実施するための知識を身につけ,また,その結果を他者に分かりやすく表現することができる。
(心福DP5)
② 統計的知識を身につけた上で,単なる知識としてではなく,社会などの実践の場で応用できる技術を身につける。
(心福DP4)
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
本講義に対して,これまで数学が苦手で触れる機会がなかったために数式や数字に拒否反応を示す人もいるかも知れない。しかし,時間を掛けて講義を進めていくので過度に心配する必要はない。ただし,事前の予習,事後の復習をしっかり行わないと習得は困難であることを理解すること。
講義は基本的に教科書に従って進めていくが,追加の課題を出すこともある。また,ExcelなどのPCソフトを使用して簡単な統計的処理を行うこともある。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」に沿って授業を展開するので,表に記された教科書の対応する箇所をあらかじめ読んでくること。ただし,授業の進捗状況によってはズレが生じる場合もあるが,その際は指示する。
(2)授業の受け方
授業は,基本的にPowerPointのスライドで進める。また,それと同様のものを印刷物として配布する。スライドの記述だけではなく、重要だと思ったことや疑問に思ったことなどは積極的にメモすること。また,授業を欠席した場合に備え,UNIPAを用いて授業資料をクラウド上にアップするので必ず確認すること。

(3)復習の仕方
授業内容を手元の配布資料にもとづいてもう一度確認すること。また,不明な点や疑問点については,改めて調べてノートに加筆するとよい。

5.受講にあたってのルール
(1) 受講時の基本姿勢(マナー)
受講時は、私語を慎み、居眠り・内職等は行わないこと。
(2) 遅刻・欠席・早退の扱い
30分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席とみなす。欠席した場合は、「欠席届」を提出すること。
(3) 期末試験の受験資格
講義15回のうち、欠席回数が3分の1以上の者は期末試験を受験できない(すなわち再履修となる)。
(4) 期末試験時の不正行為の扱い
カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を 0 点とする(すなわち再履修となる) 。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
ガイダンス,なぜ心理学を学ぶのに統計を学ぶ必要があるのか
教科書 第0章
第2回
データと尺度①:データと尺度(変数,データとはなにか)
教科書 第1章
第3回
データと尺度②:尺度の4つの種類(それぞれの4つの尺度の特徴とできること)
教科書 第1章
第4回
データと尺度③:尺度の種類による情報の量(様々な事例から,各尺度でできること・わかることを理解する)
教科書 第1章
第5回
データと尺度④:データの分類(量的変数,質的変数,各変数の取り扱いの差異)
教科書 第1章
第6回
データをまとめてみる①:記述統計とは,データをまとめることの意味,実際の統計資料の収集とその読み方
教科書 第2章
第7回
データをまとめてみる②:カテゴリーデータについて表にまとめる,連続的なデータを度数分布表にまとめる,グラフにまとめる
教科書 第2章
第8回
データをまとめてみる③:代表値(平均値,中央値,最頻値),散布度(分散,標準偏差,四分位範囲,レンジ)
教科書 第3章
第9回
データをまとめてみる④: 代表値と散布度の指標の使い分け,標準化得点と偏差値
教科書 第3章
第10回
まとめと振り返り,試験A
第11回
相関分析①:相関分析とは(相関と連関,相関関係と因果関係,外れ値の影響,疑似相関)
教科書 第4章
第12回
相関分析②:相関の有無,強さ,正と負
教科書 第4章
第13回
相関分析③:相関と散布図
教科書 第4章
第14回
相関分析④:ピアソンの積率相関係数
教科書 第4章
第15回
まとめと振り返り,試験B
第16回
予習・復習
教科書を使った予習が必要。授業前に必ず該当する教科書のページに目を通して、疑問点をまとめてくること。復習では、その日のうちにノートをまとめ、疑問点を調べて加筆しておく。
 目安の時間として、授業1コマにつき、予習120分、復習120分が必要。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
・ 試験(90%)…試験A,試験Bの2回試験を行う。両試験とも100点満点を45点換算とし,合計して90点満点とする。
<到達目標①、到達目標②>
・ 受講態度(10%)…受講態度と出席数に応じて加点する。
<到達目標①、到達目標②>

※ 試験Aおよび試験Bは,小テストや課題,レポートで代替する場合もある。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
・本講義受講にあたっては,授業内容を必ず復習しておくこと。復習せずに授業に臨むと授業内容を理解できないまま進んでしまうことになる。その場合,後期開講科目の心理学統計法Ⅱの内容に付いていけない可能性がある。
・台風,豪雨,暴風雪,地震等によって通学が不可能となった場合,原則として遠隔(オンライン)で授業を実施する。その際は,UNIPA上で連絡する。
・体調不良,インフルエンザや新型コロナウイルスへの罹患が疑われる場合には欠席すること。症状が軽微であっても原則として遠隔(オンライン)対応はしない。