シラバス情報

科目名
国際ビジネス論
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
水曜1校時(9:00-10:30)
教室
523教室 【Google Classroomコード: 7vqla76】
教科書
 配付資料および電子配付資料を用いて実施する。ただし、点数の取得状況が芳しくない(=到達目標の達成が不十分な)場合には追加のレポート課題などを課すことがあり、該当者は指定図書を購入する(あるいは図書館で借りる)必要がある。例えば、追加レポートの指定図書として村山貴俊『中京経済圏モノづくり中小企業の生き残り戦略−自動車部品・金型メーカーに学ぶ』(中央経済社、2023年)などを用いる予定である。

1.担当教員
担当教員
村山 貴俊
研究室
非常勤講師室
オフィスアワー
担当教員:村山貴俊
場所:非常勤講師室
時間:講義終了後(水曜日10:30〜10:45、時間内に質問に回答できない場合は時間を延長することもある)

2.授業の目的
(1)授業の目的
 企業は、今や、産業分野や規模の大小に関わりなく、グローバルな視野で事業展開や経営を考えていく必要がある。企業を取り巻く環境の変化、とりわけグローバル化の進展こそが、そのような視角と経営行動を不可欠にする理由である。本講義では、国際経営や国際経済の理論と国際ビジネスの実践への学びを融合させることで、グローバル社会と国際ビジネスの特性への理解を深める。
 
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①グローバル社会の特性を理論的かつ実証的に理解できるようになる[2022年度GS学科DP(1)(4)]。
②国際ビジネスに関する理論や分析枠組み、ならびに国際企業経営の事例や手法を理解できるようになる[2022年度GS学科DP(1)(3)]。
③講義で学んだ理論や先行事例に依拠してグローバル社会の動向や国際ビジネスの実践を自らで分析し、自分自身のキャリア形成に役立てることができる[2022年度GS学科DP(3)(4)]。
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 本講義では、企業が適応を迫られている「グルーバル化」という現象を理解することからはじめる。しかし、「グローバル化とは何か」という問いに明確に答えられる人は、それほど多くはないだろう。よって、既存の研究や文献に依拠することで、グローバル化の特徴を把握する。グローバル化が誇張され過ぎていると批判する準グローバル化という考え方にも触れる。それらの概念的な説明に加え、グローバル化やグローバル社会の特質が表出した具体的な事例にも目を向ける。グローバル化への理解は、国際ビジネス論のみならず、グローバル・スタディーの学びの基礎になる。
 次いで、グローバル化を推進する力と阻害する力をとりあげる。推進力として、経済発展と所得の向上、情報化、そして企業の国際化に目を向ける。「経済発展と所得の向上」では、国の経済成長の動態と、その中で日本企業が注力している新興国ビジネスの実例を解説する。「情報化」では、世界における情報化の進展、例えばインターネットユーザーや無線アクセスの拡大の地理的分布の変化、ファスト・ファッション企業による情報を用いた商品開発の事例を解説する。「企業の国際化」では、巨大企業の国籍分布、多国籍企業による知識の越境移転、GATT・WTOによる貿易自由化、日本のFTA・EPA戦略を解説すると共に、近時の越境ECビジネスの成長について解説する。阻害する力としては、文化の壁、政治の壁、国際紛争やテロ、その他の突発的アクシデントに目を向ける。「文化の壁」では、先行研究に基づき文化の意味や国家間の文化の差異などを解説すると共に、個人ならびに企業による異文化適応について解説する。「政治の壁」では、国際的なビジネス展開の参入障壁となりうるフォーマルそしてインフォーマルな障壁ならびに新たな保護主義とも称される地域経済圏やブロック経済圏の創出を解説する。「国際紛争やテロ、その他の突発的アクシデント」では、国際的紛争による入国審査の変化、狂牛病や感染症パンデミックによる産業や企業への影響を解説する。
 以上のような学びを通じて、グローバル社会ならびに国際ビジネスの特質を理解し、自らのキャリア形成に活かせる理論的・実践的な知識の修得を目指す。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
 配付された資料に事前に目を通して次回の講義の概要を把握しておくと共に、意味の分からない専門用語などを予め調べておく必要がある。講義の概要および専門用語を事前に理解しておくことで、講義内での解説をより良く理解できようになると考えられる。
(2)授業の受け方
 事前に配付された資料を持参し、教員の解説を聴きながら資料内の空欄の穴埋めをおこなう。必要に応じて、講義ノートを作成する。空欄の用語は特に重要な概念や専門用語であるため、私語や居眠りをすることなく講義に集中して書き取りをする必要がある。講義の中では、理解度を確認する小テストを実施する。小テストはアンケート機能やGoogle Classroomを用いてオンラインで実施することがあるため、毎回、必ずGoogle Classroomにログインできる充電済みの情報端末(ノートPC、タブレット、スマートフォンなど)を持参すること。本講義は、【ノートPCなどの情報端末必携】の科目である。情報端末を忘れた場合は、その回の小テストを受験できなくなるので注意すること。情報端末を忘れた学生やそのために小テストを受験できなかった学生に対して、追加的な措置は一切講じないので予めご了承いただきたい。

(3)復習の仕方
講義での解説ならびに小テストの出題箇所を振り返ることで、講義資料や講義ノートを再整理し、講義内容への理解を深める。前回の講義内容が、次回の小テストの出題範囲になることもあるため、復習にしっかり取り組む必要がある。

5.受講にあたってのルール
 小テストは、講義開始時と講義終了前の時間に行われることがある。講義終了前の小テストは、講義内容の理解度を確認するためのテストであり、原則として毎回、講義終了前の時間に実施する。講義開始時の小テストは、出席を確認するという目的もあり不定期に実施する。出席確認のためのテストを受験できない場合は、遅刻ないしは欠席として扱われるので、講義開始時までに必ず教室で着席しておくこと。講義終了前の小テストを受験できない場合は、欠席の扱いとなる。いずれの小テストも、教室内でのみ受験できる。私語は厳禁であり、他人の学修の権利を侵害するような行為や言動があれば退室させることもある。小テストでの不正行為は厳しく取り締まる。教員が許可した場合を除き教室外からアクセスして小テストを受験する行為は、受講生間の公平性が確保できないため不正行為とみなす。万が一、そのような不正行為が発覚した場合は大学の規則に則して厳正に処分する。
 履修希望者は、第0回講義(2024年4/1公開、〆切は4月9日)として設定した課題に解答することで、【Google Classroomコード: 7vqla76】に首尾よくアクセスでき小テストにも解答できることを必ず確認しておくこと。第0回の課題は選択ボタン(「はい」)を1回押すだけのものであり、皆さんが第1回講義を円滑に受講できるようアクセス状況を確認することが目的である。第0回課題に解答しないことで点数や出欠に負の影響は一切生じない。しかし、第0回課題に解答せずアクセス状態の確認を怠った学生が、第1回講義の中で課題やテストにアクセスできないなどの問題に直面した場合は、特別な措置(例、追試)を講じない。もちろん、教員側に設定不備が認められた場合には、学生の不利にならないよう追試を実施する。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
国際経営論とは何か。国際経営研究史の概観、国際経営論のカリキュラムでの位置づけ、国際ビジネスへの学問的なアプローチ方法、ESSPフレームワークの解説。小テストの実施。
予習=シラバスをよく読み、講義内容や評価基準・方法などを理解する(90分)。復習=第1回資料および講義ノートを自分なりの視点で再整理する(90分)。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。以降、毎回、情報端末を持参すること【ノートPCなど情報端末必携の科目である】。
第2回
グローバル化とは何か(1)。国際経済論、国際経営論、国際政治学の既存研究や既存文献に依拠して、グローバル化やグローバル社会の特性を理解する。小テストの実施。
予習=事前に配付する第2回の講義資料を事前に読解する。復習=第2回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第3回
グローバル化とは何か(2)。グローバル化の特性が表出したシェールガス革命、同質化する世界の都市などの事例の紹介、World3.0という準グローバル化に関する解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第3回の講義資料を事前に読解する。復習=第3回資料およびノートを自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし、講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第4回
グローバル化の促進要因について。経済発展と所得向上(1)。経済発展の変化の動態、新たな新興国グループの台頭を理解する。小テストの実施。
予習=事前に配付する第4回の講義資料を事前に読解する。復習=第4回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第5回
経済発展と所得向上(2)。新興国ビジネスとは何か。モノづくり中小企業の新興国ビジネス、BOPビジネスの解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第5回の講義資料を事前に読解する。復習=第5回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第6回
グローバル化促進要因としての情報化(1)。旅客・通信分野の発展の歴史、無線アクセスの拡大状況の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第6回の講義資料を事前に読解する。復習=第6回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第7回
情報化(2)。情報技術を活用した社会問題の解決、情報収集と分析を活かしたファスト・ファッション企業の商品開発の事例の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第7回の講義資料を事前に読解する。復習=第7回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第8回
グローバル化促進要因としての企業の国際化(1)。Fortune 100、Fortune500にみる巨大企業の国籍分布の変化、IMDにみる国の競争力の推移の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第8回の講義資料を事前に読解する。復習=第8回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第9回
企業の国際化(2)。貿易自由化の動き、GATT、WTO、FTA・EPAの歴史と仕組みの解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第9回の講義資料を事前に読解する。復習=第9回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第10回
企業の国際化(3)。FTA・EPAの効果、TPPと日本の貿易戦略、越境ECビジネスの解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第10回の講義資料を事前に読解する。復習=第10回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第11回
グローバル化の阻害要因。文化の壁(1)。ニスベットやホールの所見、ホフステードの多文化世界、ハンチントンの文明の衝突、メイヤーの文化マップの解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第11回の講義資料を事前に読解する。復習=第11回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第12回
文化の壁(2)。異文化に適応するための企業と個人の学習プロセス、ハラルゼラチンの開発と供給の事例の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第12回の講義資料を事前に読解する。復習=第12回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。低評価者を対象とした追加課題の発表。
第13回
グローバル化阻害要因としての政治の壁(1)。ESPアプローチによる国の差異の把握、外国企業の参入を阻止する日本のフォーマル障壁・インフォーマル障壁の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第13回の講義資料を事前に読解する。復習=第13回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第14回
政治の壁(2)。日本における企業グループや系列の形成、地域経済圏の創出と新保護主義の台頭に関する解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第14回の講義資料を事前に読解する。復習=第14回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第15回
グローバル化阻害要因としての国際紛争やテロ、その他の突発的アクシデント(1)。国際的紛争と入国審査の変化、狂牛病や感染症による産業や企業活動への影響の解説。小テストの実施。
予習=事前に配付する第15回の講義資料を事前に読解する。復習=第15回資料およびノートの内容を自分なりの視点で整理する。全15回の講義を振り返り、自らのキャリア形成を考える。
小テストは講義開始時と講義終了前に実施。ただし講義開始時の小テストは出席を確認するという目的もあり不定期に実施。情報端末を持参すること。
第16回
予習・復習

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
 教室内で実施する小テストによる評価(100%)。小テストは、穴埋め式、選択式、記述式などの方式を用いて学生の理解度を多面的に評価する。小テストでは、UNIPAアンケート機能、Google Classroom、ペーパーテストなどを主に用いる。フィードバックとして小テストの点数を順次開示し、講義の理解度および到達目標の達成度合いを確認できるようにする。
 到達目標と評価項目との関連および評価項目毎の配点割合は以下の通りである。到達目標①グローバル化の特性について質問する小テストを実施し、グローバル社会の特性への理解を深める(30%)[2022年度GS学科DP(1)(4)]。到達目標②グローバル・ビジネスの事例や手法について質問する小テストを実施し、グローバル・ビジネスの事例と手法への理解を深める(30%)[2022年度GS学科DP(1)(3)]。到達目標③グローバル社会の動向やビジネスの実践について質問する小テストを実施し、グローバル社会の動向とビジネス実践への理解を深めて自己のキャリア形成に活かす(40%)[2022年度GS学科DP(3)(4)]。
 ただし各学生の点数の取得状況により上掲の到達目標の達成度合いを把握し、到達目標の達成が不十分な学生(低評価者)に対しては追加のレポート課題などを課すことで到達目標を達成していただくこともある。
 

8.参考図書・文献
中京経済圏モノづくり中小企業の生き残り戦略ー自動車部品・金型メーカーに学ぶ
村山貴俊
中央経済社
9784502443916
低評価者あるいは教育的配慮のための課題図書であり、該当者以外は準備する必要はない。間違えて購入しないよう注意していただきたい。

9.履修上の注意
(1)到達目標の達成が不十分な学生に対して追加のレポート課題などを課すことがある。
(2)小テストは主にオンラインで実施するため、毎回、必ずインターネットに接続できる情報端末を持参すること。端末を忘れた場合は、小テストを受験できない。
(3)大学が定める欠席回数を超えて欠席・遅刻をした場合は、単位修得資格を失うことがある。ただし、大学が発行する欠席届によって欠席や遅刻の合理的理由が確認できた場合は、欠席回数から除外する。やむを得ない理由で欠席した場合は、欠席届を必ず提出すること。
(4)受講に際して、特別な事情や不安がある場合は、第2回講義までに大学や担当教員に相談すること。大学において教育的配慮が必要と判断されれば、追加レポートなどの代替課題を用意する。第2回授業開始時までに必ず相談にくること。履修途中で特別な事案が発生した場合も、ただちに大学や担当教員に相談すること。相談が遅れると教育的配慮が難しくなるので注意すること。
(5)履修希望者は、第0回講義(2024年4/1公開、〆切は4月9日)として設定した課題に解答することで、以下のコードのGoogle Classroomに首尾よくアクセスでき小テストに解答できることを必ず確認しておくこと。【 Google Classroomコード: 7vqla76】。第0回課題は選択ボタン(「はい」)を1回押すだけのものであり、皆さんが第1回講義を円滑に受講できるようアクセス状況を確認することが目的である。第0回課題に解答しないことで点数や出欠に負の影響は一切生じないが、第0回課題は必ず完了しておくこと。