シラバス情報

科目名
発達心理学
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
月曜3時限(13:00〜14:30)
教室
531教室
教科書
特に使用しない

1.担当教員
担当教員
中嶋 みどり
研究室
5号館4階
オフィスアワー
木曜日2時限(10:40〜12:10):予約優先

2.授業の目的
(1)授業の目的
 人間は、社会化の過程の中で、心理的に充実し、死ぬまで変化・成長し続けるといわれている。人間の成長と発達の基本的な考え方を踏まえ、ライフサイクルの各期(乳幼児期・学童期・思春期・青年期・成人期・老年期)における身体的・心理的・社会的特徴と発達課題、特徴的な疾病等について理解する内容とする。その際、いくつかのトピックを挙げ、そこに流れる精神発達の流れの基礎を理解していくことを主な目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①ライフサイクルの各時期の人間の発達の特徴、遺伝や環境が及ぼす影響、好発しやすい身体的・社会的問題、基本的な精神発達の流れを理解する。
<子ども教育DP2,DP6><心理福祉DP4①、DP4②、DP4③>
②人間は個人や意志の力により、生涯発達し続ける存在として、自分自身に照らし合わせながら、理解や関心を深める。
<子ども教育DP4、DP8><心理福祉DP1①>

※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 ライフサイクルの各期(乳幼児期・学童期・思春期・青年期・成人期・老年期)における身体的・心理的・社会的特徴と発達課題について、一部関連動画を視聴しながら、理解する。人間の発達の特徴と原理について、各発達段階にみられる心理学的問題に焦点を当てた実例を扱い、自身のこれまでの経験や今後の発達に関心を高め、人間のもつ可塑性に気づき、基礎力をつけることを目指す。毎回、授業後にリアクションペーパーの提出を行い、次回にその内容の一部をリプライとして抜粋して資料提示し、復習しながら理解を広めていく。

※本講義は、発達臨床現場おいて心理臨床家としての実務経験をもつ者が担当している。
※学生のリアクションペーパーによる双方向性を保ちながら進めるアクティブラーニングを取り入れた授業である。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
・シラバスを参照し、進捗状況および次回の内容を確認し、記された用語について参考文献等を調べ、可能な限り内容を理解すること。
・予習事項については、レポート課題となる可能性があるため、日ごろから予習・復習を心掛けること。
※課題の提示・提出等にLMSを利用する。
(2)授業の受け方
・基本的には、パワーポイントと配布資料で行いため、強調したポイントは確実に留めて置くこと。重要なことや疑問に思ったことなどは、自らメモすること。事例も盛り込んだ内容を扱うため、その内容をメモしながらよく理解すること。
・問いかけも時にするため、積極的に回答・参加すること。
・毎回のリアクションペーパーやレポート課題には、テーマに沿い、自身の体験や思考を含めて書くこと。単なる感想文や提示しているテーマから外れた記述については、平常点の加点外とする。
・リアクションペーパーのリプライは学生同士の疑問、経験をもとにした前回のおさらいと多様な学びに触れる場である。関心を持って読み、学びを定着させること。
(3)復習の仕方
・講義内で強調したポイント等を早いうちに振り返り、理解を定着させること。
・リアクション・ペーパーに対するリプライは、理解を促す実例をとりあげているので、よく読むこと。他人の考えは自分と異なることもあるが、心理学において有益な視点、多様な視点が含まれていることから、理解するよう努めること。
※課題の提示・提出等にLMSを利用する。

5.受講にあたってのルール
①受講時は、私語、居眠り・内職等は行わないこと。他人の邪魔となるような言動があった場合は、退室を命じることがある。
②リアクションペーパーやレポートの提出課題は、授業の参加度として加点に寄与するものであるため、遅延・未提出がないようにすること。
③考慮に値する理由のない20分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。考慮に値する理由のない早退は欠席とみなす。
④考慮に値する欠席をした場合は、自分から担当者に直接説明すること。他人に説明を委ねない。
⑤15回のうち、欠席回数が3分の1以上の者は、理解度の確認を受験しても成績評価の対象としない(再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
発達心理学とは
・シラバスを読んでおくこと
・発達の意味の理解、発達段階
第2回
動物と比較した人間の発達の特徴
離巣性と留巣性(就巣性)、インプリンティング
・人間と動物の本能行動と学習行動
・離巣性、留巣性(就巣性)とその特徴
・インプリンティング、臨界期
第3回
遺伝と環境が及ぼす影響:成熟説、経験説、環境優位説等の諸説
・自身において遺伝の影響が大きい事柄
・学説として遺伝、環境、経験の影響が大きいもの
第4回
・人間の成長と発達の基礎的理解・発達課題
・フロイトの心理性的発達理論
・発達課題とは
・フロイトの心理性的発達理論
第5回
発達課題および精神発達の理論
・フロイトの心理性的発達理論

・フロイトの心理性的発達理論
・エリクソンの漸成的発達論の概要、危機
第6回
発達課題および精神発達の理論
・エリクソンの漸成的発達論
エリクソンの漸成的発達論(学童期まで)
第7回
発達課題および精神発達の理論
・エリクソンの漸成的発達論(青年期以降)

・エリクソンの漸成的発達論(中年期以降)、サクセスフルエイジング
・ピアジェの発生的認識論のシェマ、同化、調節、均衡化
第8回
認知発達の理論
・ピアジェの発生的認識論と認識の発達
ピアジェの発生的認識論全体
レポート課題①の提示
第9回
理解度の確認①
第8回目までの復習
第10回
愛着の形成、パターンについて
・愛着研究の初期の説から後の知見
・愛着理論
・ホスピタリズム、マターナルデプリベーション
・ボウルビィとエインズワースの愛着理論
第11回
社会性の発達①愛着から社会性、認知発達へ
・社会的参照、協同注視
・遊びの発達
report課題の提出①
第12回
社会性の発達②仲間関係の発達と変容、集団適応
仲間関係の発達とこれまでの自身の経験
第13回
社会性の発達③仲間関係の発達と変容、集団適応
・学童期以降の仲間関係の発達
・小1プロブレム、中1ギャップ、高1クライシス等、節目で体験するショック
第14回
道徳性の発達
・向社会的行動の形成
・道徳判断、規範意識の形成と変容
・向社会的行動、愛他行動と形成
・コールバーグの道徳性発達理論
・規範意識の形成と変容
第15回
理解度の確認②
第10回目〜第14回目までの復習
第16回
予習・復習
・上記の予習・復習の際、疑問点はまず調べる癖をつけること。
・講義内で強調したポイント、扱った実例のHP、作品や教材に接し、理解を定着させること。
・目安の時間として、授業1コマにつき、予習・復習120分程度が必要。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
・理解度の確認・レポート(60%):理解度の確認およびレポート課題から評価する。HP等のcopy and pasteの羅列による記述や典拠なし、考察の弱い内容といったものは、減点対象となる。
・平常点(40%):毎回のリアクションペーパー等の課題。授業内の活動への参加度。なお、授業の2/3以上の欠席の場合は、評価ができない。

8.参考図書・文献
ガイドライン生涯発達心理学第2版
二宮克美・大野木裕明・宮沢秀次
ナカニシヤ出版
978-4779506819
子どもも育つおとなも育つ発達の心理学
柏木惠子
萌文書林
978-4893471765

9.履修上の注意
・心理福祉学科の公認心理師を取得希望の人は、必須科目です。認定心理士、保育士を取得希望の人は、選択科目の1つです。他の専門職志望の人(教職等)にも役立ちますので、関心のある方には履修を推奨する。
・発達心理学は、幅広い世代を扱う関係上、基礎知識を多く扱わなければならず、多少の分量や速度が伴う科目であることを心得ること。なお、次回の講義で前回の復習を行いながら進める。
・毎回リアクションペーパーの提出を求めるので、それなりに負担が伴う科目であることを心得ること。文献引用や他人のコメントをもとに自分の考えや経験を振り返っての考察を加え、深めて書くように心がけること。
・受講に際して、何らかの配慮を必要とする場合は、必ず2回目の授業までに担当者に相談してください。事情を考慮し、特別な配慮を行う場合がある。
・状況によっては、クリッカーやLMS等のICT活用をしながら進めるため、UNIPAやメールでの連絡や確認・返信を怠らないこと。

※災害等により、対面の授業が全学的に困難と判断された場合は、大学の通達に従い、遠隔授業を実施する場合がある。その際は、必ずUNIPAやメールを確認すること。