シラバス情報

科目名
心理学概論
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
金曜日Ⅲ時限(13:00〜14:30)
教室
5号館531教室
教科書
『はじめて出会う心理学 第3版』(長谷川・東條・大島・丹野・廣中 著、有斐閣アルマ)

1.担当教員
担当教員
渡邊 兼行
研究室
5号館3階
オフィスアワー
火曜日 10:30〜11:30、木曜日 10:30〜11:30

2.授業の目的
(1)授業の目的
 心理学の基礎を学ぶことで、心理学理論による人の理解とその技法の基礎、人の成長・発達と心理との関係、日常生活と心の健康との関係、心理的支援の方法と実際などについて理解することを目的とします。今後、さまざまな専門を学ぶ上での土台となる教養として、あるいは心理学を専攻する人にとってはその基礎として、人間の理解と援助に貢献できる人間となるための学びの入り口となる、「科学的な人間理解」のための知識と考えを身につけることを目指します。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 「学問としての心理学」に触れ、通俗的な心理学への誤解を解く。
 〈学部DP2①、学部DP2②、心福DP3②、心福DP4①、心福DP4②〉
② 人間の心や行動を理解するための基礎的な知識を持つ。
 〈学部DP2①、学部DP2②、心福DP4①、心福DP4②〉
③ 人間を理解するための科学的な姿勢と視点を持つ。
 〈心福DP3②、心福DP4②〉
④ 人間の心や行動について心理学的に考えることができるようになる。
 〈心福DP1①〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 人の心理学的理解のため、心理学の基礎的理論を概観するとともに、心の発達や健康への理解を深めながら、心理学的支援の方法と実際について、9つのテーマに分けて広く学びます。巷でよく聞く心理学のイメージには、偏見や誤解が多く見受けられます。たとえば、人の心の中が読めると思ったり、雑誌やテレビでよく目にする心理ゲームを思い浮かべたり、心理学者はみんなカウンセラーだと思ったり、超能力や霊魂とかと関係があると思ったり……ところが、この授業で扱う「学問としての心理学」は、それらとはちょっと違います。心理学は、人の心や行動に科学的に迫り、行動を説明、予測、制御することで、人々のよりよい生活に貢献することを目的とする学問です。みなさんが期待するかもしれない心理ゲームみたいなことはありませんが、人の心の不可思議さを探ることは、それにも増して面白いことだと思います。半年間の授業ののち、みなさんが、心理学の面白さに気づき、自分の生活に役立てられるようになるとよいと思います。

・アクティブ・ラーニング…授業内での模擬実験や、学生からの意見を題材としたディスカッションを取り入れます。
・ICT技術の活用…予習課題・自主学習支援として、Google Classroomを活用します。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
 「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」にそって、授業を展開していきますので、表に記された教科書の対応する箇所をあらかじめ読んでくることが予習になります。あらかじめ教科書を読んでくることで、授業の内容も頭に入りやすくなりますし、聴くポイントもつかめます。わからない語句や専門用語があれば、あらかじめ調べてくることも必要でしょう。予習課題として読んだ内容に関する意見や疑問については、LMSを利用して事前に提出してもらいます。なお、教科書のページ順通りの進み方ではありませんので、予習の際には「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」をよく確認して下さい。
(2)授業の受け方
 授業はプリントを配布し、PowerPointのスライドで進めていきます。プリントとPowerPointは、必ずしも一対一対応しているわけではありませんので、考えながらメモを取って下さい。スライドの内容を書き込んで穴埋めをするだけではなく、先生が話したこと、自分なりに考えたことなどもどんどんメモしていくことが必要です。その際、予習で読んできた内容と結びつけながら授業を聞き、ノートを取ると良いでしょう。
 また、授業中に発言を求められる機会もあります。発言は、自分にとってももちろんためになるものですが、一緒に授業を取っている他の学生にとっても有意義になるはずです。ですので、授業中の発言には、それなりの評価を加味します。
(3)復習の仕方
 授業中に書いたノートは単なるメモですので、それを後で整理してまとめる必要があります。その途中で必ず、理解があやふやだったり、さらに疑問に思うところが出てくるはずです。その時には改めて調べたり、先生に聞いたりして、知識や理解の不十分なところを補いましょう。わからない点や疑問点は、自分の知識と理解を深めるためのチャンスですので、それをしっかり捕まえて、授業の内容を深めていって下さい。また、みなさんの復習の助けとしてLMSによる「Retrieval Practice(検索練習)」を、毎回の授業後に用意しておきます。解答は必須ではないですが、復習のきっかけとして活用してください。

5.受講にあたってのルール
(1) 授業を妨げる行為は一切認めません。著しい場合は、退室をしてもらうこともあります。
(2) 遅刻・早退の場合は、できるだけ事前に担当教員に許可を取っておき、静かに速やかに入退室して下さい。事前に許可をとれなかった場合も、できるだけ早めに事情を説明して下さい。欠席については、できるだけ事前に連絡を下さい。やむを得ず事前に提出できない場合もできるだけ早いうちに連絡して下さい。なお、遅刻・早退・欠席のいずれの場合も、成績評価の直接の対象とはなりません(出席による加点も遅刻・早退・欠席による減点もない)が、不在による損失は非常に大きいはずですので、必ずその分を補充するように勉強して下さい。また欠席が多い場合(出席が授業回数の3分の2に満たない場合)は、原則として試験の受験資格を失うことが大学のルールとして取り決められていますので、この授業もそれに従います。
(3) オプションでレポート課題が出されますが、〆切を過ぎた場合には、その程度に応じて減点、または評価されないことになります。〆切は厳守するようにして下さい。
(4) 授業内の試験が4回ありますが、これらはこの授業では、成績評価の基準として定期試験に相当するものになります。したがってカンニング等の不正行為があった場合には、大学の取り決め通りその学期の単位をすべて失うことになりますので、くれぐれもそのようなことが無いよう注意して下さい。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション…心理学のイメージ
4月12日
第2回
心理学とは?…心の科学としての心理学、心理学の歴史、心理学の方法
教科書 第1章
4月19日
第3回
感覚と知覚…外界の情報を獲得するためのこころのしくみの理解
教科書 第10・11章
4月26日
第4回
動機づけと情動…やる気や感情といったこころの情意的な側面についての理解
教科書 第5章
5月10日
第5回
ここまでのまとめと授業内テスト①…第2回〜第4回の内容を範囲とする
5月17日
第6回
学習と記憶…学習や記憶のしくみと学習・記憶の方法についての理解
教科書 第12・13章
5月24日
第7回
認知…推論、問題解決、意思決定、言語理解などの知的なこころのしくみの理解
教科書 第14章
5月31日
第8回
発達…認知発達、言語習得、社会性の発達などのこころの発達のしくみの理解
教科書 第3・4章
6月7日
レポート課題の提示
第9回
ここまでのまとめと授業内テスト②…第6回〜第8回の内容を範囲とする
6月14日
第10回
個人差の心理学…心理検査の理論と方法
教科書 第6・7章
6月21日
第11回
心の病理と援助…日常生活と心の健康、心理的支援の方法と実際(心理療法とカウンセリング)
教科書 第8・9章
6月28日
第12回
社会と心…社会や文化といったより広い文脈の中でのこころのしくみと人間関係、社会・文化の影響の理解
教科書 第17・18章
7月5日
レポート課題の〆切
第13回
ここまでのまとめと授業内テスト③…第10回〜第12回の内容を範囲とする。
7月12日
第14回
心理学を生かす…医療、福祉、教育、産業場面での心理学
7月19日
仮評価の提示
第15回
全体のまとめと授業内テスト④…全体の内容を範囲とする
7月26日
第16回
8月2日(予備日)
予習・復習
 授業に先立って、上の「予習・復習」欄に示した教科書のページをよく読み、自分なりにわかった点や疑問点をまとめておいてください。また復習として、ノートを読み返し、足りないところを調べるなどして補足して、完成させてください。LMSによる予習課題と復習のための「Retrieval Practice」(任意)を用意してあります。
 平均して各回4時間程度がおおよその目安となります。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
 評価は、(2)の前提条件を満たした上で、(1)の評価と(3)〜(5)のオプションの点数の合計で求められます。合計が100点を超えた場合には、100点とします。
(1)テスト 〔96点〕…32点満点のテストが4回あります。各テストの予定日と範囲は上の「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」の通りです。4回のテストのうち、成績の良いもの3つの点数の合計を評価の基礎点とします。
 テストはいずれも27問の4択問題と1問の論述問題から成ります。このテストは授業の一部として行われますので、テスト後にフィードバックとしてその解説と振り返りを行います。テスト結果は約1週間程度で返却されますので、必ず見直しと復習をして下さい。テストは必ず3回以上受けてください。3回未満の場合、点数に関わらず評価はつかないことになります。
 〈到達目標①、到達目標②、到達目標③〉
(2)予習課題〔評価の前提条件〕…授業に先立って、予習課題として読み込んできたテキストの内容についての意見や疑問を提出してもらいます。予習課題の機会は9回ありますが、必ず6回以上は提出してください。提出が6回未満の場合は、他の点数に関わらず評価はつきません。
 〈到達目標①、到達目標②、到達目標④〉
(3)課題レポート 〔5点〕…レポート課題を提示します。提示日と〆切日の予定は上の「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」の通りです。オプションですので、希望者のみが提出すればよいです。なお、フィードバックとしてレポートはコメント付きで返却されます。
 〈到達目標③、到達目標④〉
(4)授業への参加(発言) 〔5点〕…授業内での発言を成績評価に加えます。発言の内容にもよりますが、1回の発言を1点とし、15回の授業で合計5点までを成績に加算します。
 〈到達目標④〉
(5)授業外の実験への参加 〔5点〕…教員、あるいは3〜4年生が計画する実験に、実験参加者として参加することで評価に加点されます。心理学の実験に参加することで、実証的な側面に少しでも触れてもらおうというのがねらいです。1時間までの実験参加で1点とし、計5点までを評価に加点します。具体的な参加の仕方については、募集があった際に随時連絡します。
 〈到達目標③〉

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1) 心理福祉学科の必修科目ですので、心理福祉学科の人は、必ず履修して下さい。
(2) 以下の資格等の必修科目、選択科目として指定されています。資格の取得を考えている人は、必要に応じて履修して下さい。
・ 教職免許(高校公民)…必修科目(心理福祉学科心理コース)・選択科目(グローバル・スタディーズ学科共生社会スタディコース)
・ 公認心理師…必修科目
・ 認定心理士・認定心理士(心理調査)…必修科目
・ 社会福祉士…必修科目
・ 精神保健福祉士…必修科目
・ 保育士…選択科目
・ 社会福祉主事…選択科目
・ 上級情報処理士・情報処理士…選択科目
・ 日本語教員(課程修了証明書)…必修科目
※ 以上の資格要件は、2024年度入学生を対象としたものです。それ以前に入学した学生については、該当しない場合があります。
(3) 授業への参加について、特別な事情がある場合、特別な不安や心配がある場合には、第2回授業までの間に必ず担当教員まで相談して下さい。試験・出席・課題の免除と代替課題の提示など、状況に応じて特別な対応をする場合があります。相談が遅れると対応が不可能になる場合もありますので、必ず第2回授業の前までに相談に来て下さい。また、第2回以降、履修の途中で特別な事情が生じた場合についても、できるだけ早く相談に来て下さい。早ければ早いほど対応が可能です。