シラバス情報

科目名
権利擁護を支える法制度
開講年度学期
2024年度後期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
後期金曜日1時限
教室
教科書
『権利擁護と法』(建帛社 2022年)

1.担当教員
担当教員
菅原 好秀
研究室
非常勤講師控室
オフィスアワー
講義前30分程度と講義終了後30分程度

2.授業の目的
(1)授業の目的
①大学生として身に付けておくべき社会福祉の法律と制度の理解の向上を図ることを目的とする。
②権利擁護を支える法制度を学ぶことにより、論理的・創造的な法的思考能力を図ることを目的とし、修得した知の経験を社会や他者のために還元できる意欲と能力の向上を図ることを目的とする。
③社会福祉の現場で発生する多様な価値観の衝突に対して、法学的知識がどのような場面で、どの程度活用できるか、という問題点に対して、社会福祉に関する法制度の視点から理解できることを目的とする。
④心理福祉の視点から、権利擁護を支える法制度について理解できることを目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 権利擁護を支える法制度を理解できる。
② 基本的人権の制度趣旨(特に自由権・社会権)について判例を理解できる。
③ 憲法、民法、行政法の各制度体系を理解できる。
④ 心理福祉の立場から意思決定支援について説明できる。
⑤ 心理福祉の立場から成年後見制度について説明できる。
 本科目は、心理福祉学科のディプロマ・ポリシーのうち、権利擁護を支える法制度の理解を通じて「社会の安定と個人の幸福とは何かを追求するために必要となる、社会福祉に関連する総合的な地域と論理的な思考と考察を行う技術を身についている。」の達成を目指す科目である。特に権利擁護に関する法律と制度の本質を理解し、権利擁護の対象者の幸せづくりのために主体的に行動する能力の向上を目指す科目である。
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
憲法では日本国憲法の中核である「個人の尊重」を踏まえて基本的人権を概説する。民法では紛争解決のために必要となる法原理を概説する。行政法では権利擁護に必要な法原理を概説する。成年後見制度では判断能力が不十分な人々の生活全般の支援方法を、事例を挙げて概説する。権利擁護の意義と支える仕組み、権利擁護活動と意思決定支援について心理福祉の視点から何が必要なのかについて説明する。また、アクティブ・ラーニングを通して体験知や実践力をつけ、権利擁護制度の現状と課題について、事例を挙げてディスカッションやグループワークを行う。
毎回授業の最後にショートレポートの提出を求める。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
教科書 『権利擁護と法』(建帛社 2022年)を使った予習が必要。授業前に必ず該当する教科書のページに目を通して、疑問点をまとめてくること。
(2)授業の受け方
授業中に重要だと思ったことや疑問点はメモをすること。
(3)復習の仕方
その日のうちにノートにまとめ、不明な点や疑問点を調べてノートに加筆しておくこと。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
 受講時は、私語を慎み、居眠り・内職等は行わないこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
 遅刻3回で1回の欠席とみなす。欠席した場合は、「欠席届」を提出すること。
(3)試験時の不正行為の扱い
 カンニング等の不正行為を行った場合は試験の点数を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション…権利擁護とは何か、制度と枠組みを理解する。
(予習)第1章「権利擁護と法」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第2回
権利擁護の各制度について…権利擁護に必要な法制度を理解する。

(予習)第1章「権利擁護と判例」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第3回
日本国憲法について…主に基本的人権を中心に、制度の枠組みを理解する。
(予習)第2章「法とは何か」について読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第4回
自由権と社会権について…主に裁判例を中心に、制度の枠組みを理解する。
(予習)第2章「自由権・社会権」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第5回
民法について…総則・物権・債権について…各制度の名称、各制度を事例を挙げて理解する。
(予習)第3章「総則・物権・債権」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第6回
親族法・相続法について…身近な事例を挙げて制度の枠組みを理解する。
(予習)第3章「親族・相続」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第7回
消費者保護について…クーリング・オフ、消費者契約法について身近な事例を挙げて制度の枠組みを理解する。
(予習)第3章「消費者保護」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第8回
権利擁護の意義と権利擁護を支える仕組みについて…権利擁護の意義、虐待・暴力防止関係法の概要について理解する。
(予習)第3章「児童虐待防止法・高齢者虐待防止法・障害者虐待防止法」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第9回
行政法について…個人情報保護法の制度と枠組みについて理解する。
(予習)第4章「個人情報保護法」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第10回
行政救済について…行政救済法の制度と枠組みについて理解する。
(予習)第4章「行政不服審査法・行政事件訴訟法」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第11回
成年後見制度について…後見、保佐、補助の各制度の意義、目的、類型について理解する。
(予習)第4章「成年後見制度」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第12回
任意後見制度・日常生活自立支援事業について…任意後見制度・日常生活自立支援事の概要、意義について理解する。
(予習)第5章「任意後見制度・日常生活自立支援事業」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第13回
権利擁護と意思決定支援について…意思決定支援のガイドライン、インフォームド・コンセントについて理解する。
(予習)第5章「権利擁護と意思決定支援」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第14回
権利擁護にかかわる組織、団体、専門職…社会福祉協議会、児童相談所、家庭裁判所、法務局、市町村、中核機関について理解する。
(予習)第7章「権利擁護に関わる組織・団体」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第15回
労働法について…権利擁護と労働法について理解する。
(予習)第8章「労働法」を読んでくること。
(復習)授業の内容をレポート最低200字程度でまとめて次回の講義時までにユニパまたは指定された用紙で提出する。
第16回
定期試験
1回目から15回目までの授業の学修到達度の定期試験を行うため、授業で指摘した該当箇所を熟読すること。
予習・復習
教科書 『権利擁護と法』(建帛社 2022年)を使った予習が必要。授業前に必ず該当する教科書のページに目を通して、疑問点をまとめてくること。復習では、その日のうちにノートにまとめ、疑問点を調べて加筆しておく。目安の時間として、授業1コマにつき、予習・復習合わせて240分が必要。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1) 試験(60%)…正誤問題、論述問題を出題する。
(2) 参加意欲(40%)…発言や授業内の活動への参加を考慮し、授業の最後にその日に実施した内容を踏まえて簡単な確認テストを実施する。また、毎回前回の講義内容をユニパで最低200字以上にまとめてレポート提出する。
(3)毎回の確認テスト、レポート、課題の結果については講義の中で適宜改善点を示しフィードバックします。

8.参考図書・文献
『司法と福祉』
菅原好秀
建帛社
978-4-7679-3396-2

9.履修上の注意
授業への参加について、特別な事情がある場合、特別な不安や心配がある場合には、第2回授業までの間に必ず担当教員まで相談して下さい。事情によっては、レポートなどの代替課題を課すなどの、特別な配慮を行う場合があります。
【一時的な遠隔授業の対応について】
・遠隔授業には対応していません(欠席となります)。
【(自然)災害時の授業対応について】
・遠隔授業を実施しますので、対面授業が中止になった当日は、必ずユニパを確認してください。