シラバス情報

科目名
知覚・認知心理学
開講年度学期
2024年度後期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
火曜日Ⅲ時限(13:00〜14:30)
教室
1号館144教室
教科書
『認知心理学—知のアーキテクチャを探る 新版』(道又、北崎、大久保、今井、山川、黒沢 著、有斐閣アルマ)

1.担当教員
担当教員
渡邊 兼行
研究室
5号館3階
オフィスアワー
火曜日 10:30〜11:30、金曜日 10:30〜11:30

2.授業の目的
(1)授業の目的
 高い知性は、他の生物と比較したときの、人類の大きな特徴のひとつです。自在に言語を操り、複雑な計算を行い、抽象的な思考を展開する人類のような生物は、少なくともこの地球上にはほかに知られていません。このような高い知性の裏付けとなる心の知的なはたらきを探求するのが「認知心理学」と呼ばれる学問です。現在、認知心理学は心理学の主流を成し、知的な心のはたらきだけではなく、感情や動機づけのような心のはたらきまでその研究対象を広げています。また、教育心理学、社会心理学、臨床心理学、進化心理学、認知神経科学、人間工学といった幅広い隣接の心理学領域に、強い影響を及ぼしています。
 この授業では、現代の認知心理学の知識を獲得し、その背景にある科学的人間理解の方法を理解し、そういった知識や方法を現実的な問題に応用できる力を養うことを目的とします。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 現代の認知心理学について、主要な知識を獲得する。
 〈心福DP4①〉
② 認知心理学が用いる科学的な人間理解の方法を理解する。
 〈心福DP4②〉
③ 認知心理学の知識を、現実の様々な問題に当てはめて考えることができる。
 〈心福DP4③〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 外界の情報を取り入れ解釈するしくみを解明する「知覚心理学」と知的な心のはたらきを解き明かす学問である「認知心理学」について学びます。講義を通しての知識の獲得にとどまらず、ミニ実験を通して体験的に理解したり、現代的な問題を認知心理学的に考えるなどの、頭を使う作業もまじえながら、できる限りわかり易く進めていきます。とは言え、扱う内容はそれなりに難しいので、それなりの心づもりで履修してください。
・アクティブ・ラーニング…授業内での模擬実験や、学生からの意見を題材としたディスカッションを取り入れます。
・ICT技術の活用…予習課題・自主学習支援として、Google Classroomを活用します。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
 毎回、予習の課題を出します。予習課題は、他の授業で過去に習ったはずの、もとになる知識の確認であったり、事前に知っておいてほしい補足的な知識の確認であったり、自分なりに考えてほしい問題だったりとさまざまですが、授業の準備となる事前学習として必要なものになります。こちらで課題を用意しますので、それに回答してください。課題はLMSを利用して、インターネット上で提出するようになります。授業前日までに提出してください。
 もちろん、事前に教科書に目を通すなどの、自分なりの予習も怠らないように。あらかじめ教科書を読んでくることで、授業の内容も頭に入りやすくなりますし、聴くポイントもつかめます。わからない語句や専門用語があれば、あらかじめ調べてくることも必要でしょう。できれば、自分なりになるほどと思った点や疑問点を、ノートにまとめてくると、よりよい準備となるはずです。予習の際には「6.授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」をよく確認して下さい。
(2)授業の受け方
 授業はプリントを配布し、PowerPointのスライドで進めていきます。プリントとPowerPointは、必ずしも一対一対応しているわけではありませんので、考えながらメモを取って下さい。スライドの内容を書き込んで穴埋めをするだけではなく、先生が話したこと、自分なりに考えたことなどもどんどんメモしていくことが必要です。その際、予習で読んできた内容と結びつけながら授業を聞き、ノートを取ると良いでしょう。
 また、授業中に発言を求められる機会もありますので、進んで手を挙げて発言することが求められます。発言を求められていない場面でも、疑問がある場合や自分の意見を言いたいときには、挙手をして発言して下さい。発言は、自分にとってももちろんためになるものですが、一緒に授業を取っている他の学生にとっても有意義になるはずです。ですので、授業中の発言には、それなりの評価を加味します。
(3)復習の仕方
 授業中に書いたノートは単なるメモですので、それを後で整理してまとめる必要があります。その途中で必ず、理解があやふやだったり、さらに疑問に思うところが出てくるはずです。その時には改めて調べたり、先生に聞いたりして、知識や理解の不十分なところを補いましょう。わからない点や疑問点は、自分の知識と理解を深めるためのチャンスですので、それをしっかり捕まえて、授業の内容を深めていって下さい。
 みなさんの自学自習の補助として、LMSで授業で提示したPower Pointのファイルと授業で配布したプリントをダウンロードできます。

5.受講にあたってのルール
(1)授業を妨げる行為(飲食・喫煙・携帯電話やスマートフォン・化粧・私語など)は一切認めません。著しい場合は、退室をしてもらうこともあります。
(2)遅刻・早退の場合は、できるだけ事前に担当教員に許可を取っておき、静かに速やかに入退室して下さい。事前に許可をとれなかった場合も、できるだけ早めに事情を説明して下さい。なお授業の妨げになりますので授業中に挙手で退室の許可を求める必要はありません。
欠席については、「欠席届」をできるだけ事前に提出して下さい。やむを得ず事前に提出できない場合もできるだけ早いうちに提出して下さい。授業中に配布されたプリントについては、あとで受け取りに来るか、LMSからダウンロードして下さい。
 なお、遅刻・早退・欠席のいずれの場合も、成績評価の直接の対象とはなりません(出席による加点も遅刻・早退・欠席による減点もない)が、不在による損失は非常に大きいはずですので、必ずその分を補充するように勉強して下さい。また欠席が多い場合(出席が授業回数の3分の2に満たない場合)は、原則として試験の受験資格を失うことが大学のルールとして取り決められていますので、この授業もそれに従います。
(3)予習課題を毎回提出してもらいますが、〆切を過ぎた場合には、その程度に応じて減点、または評価されないことになります。〆切は厳守するようにして下さい。
(4)授業内の小テストが2回ありますが、この授業では、成績評価の基準として定期試験に相当するものになります。したがってカンニング等の不正行為があった場合には、大学の取り決め通りその学期の単位をすべて失うことになりますので、くれぐれもそのようなことが無いよう注意して下さい。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
10月1日
第2回
認知心理学の誕生と変貌
教科書 第1章を読む、予習課題
10月8日
第3回
感覚
予習プリント、予習課題
10月15日
第4回
知覚の基礎
教科書 第2章を読む、予習課題
10月22日
第5回
高次の知覚
教科書 第3章を読む、予習課題
10月29日
第6回
聴知覚、その他の知覚
予習プリント、予習課題
11月5日
第7回
注意
教科書 第4章を読む、予習課題
11月12日
第8回
ここまでのまとめと小テスト①
11月19日
第9回
表象
教科書 第5章を読む、予習課題
11月26日
第10回
記憶①…短期記憶・長期記憶 等
教科書 第6章1〜2を読む、予習課題
12月3日
第11回
記憶②…ワーキングメモリー、潜在記憶 等
教科書 第6章3〜4を読む、予習課題
12月10日
第12回
言語
教科書 第7章を読む、予習課題
12月17日
第13回
問題解決と推論①…問題解決、演繹と機能 等
教科書 第8章1〜4を読む、予習課題
12月24日
第14回
問題解決と推論②…意思決定
教科書 第8章5〜7を読む、予習課題
1月7日
第15回
ここまでのまとめと小テスト②
1月14日
第16回
1月21日(予備日)
予習・復習
 毎回予習課題が出されますので、期日までに提出するようにしてください。また、復習としてノートを読み返し、わからなかった点を改めて調べ、ノートを完成する作業を行ってください。平均して各回4時間程度がおおよその目安となります。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)小テスト(計80点)…2回の小テストのうちよい方を50点満点、悪い方を30点満点に換算して、合計80点満点で評価します。
 〈到達目標①、到達目標②〉
(2)予習課題(10点)…毎回の予習課題の提出状況・取り組み状況について、合計10点満点で評価します。
 〈到達目標①、到達目標③〉
(3)授業参加(10点)…授業内での発言を1回1点で、10点まで評価します。
 〈到達目標③〉

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
・ 災害時等で対面授業ができない場合、遠隔授業に切り替える場合があります。その際はシラバスの記載通りに授業を実施できない可能性があります。シラバスの記載内容に変更があった場合は、その都度お知らせします。
・ 授業への参加について、特別な事情がある場合、特別な不安や心配がある場合には、第2回授業までの間に必ず担当教員まで相談に来て下さい。試験・出席・課題の免除と代替課題の提示など、状況に応じて特別な対応をする場合があります。相談が遅れると対応が不可能になる場合もありますので、必ず第2回授業の前までに相談に来て下さい。また、第2回以降、履修の途中で特別な事情が生じた場合についても、できるだけ早く相談に来て下さい。早ければ早いほど対応が可能です。