「心理学」という学問の大きな特徴のひとつに、その実証的態度が挙げられます。実証的とは、事実に基づいて証拠立てることです。心理学は、文字通り人の心と行動についての法則を打ち立てることを目的とする学問ですが、それも単なる思弁ではなく、綿密な観察に基づいた事実に裏付けられた証拠を重視します。そしてこの事実に裏付けられた証拠を収集する強力な方法が実験にほかなりません。ですから、実験をどのように計画し、それをどのように遂行し、集められたデータをどのように処理し、それをどのように解釈し、それらをどのように報告するのか、という一連のプロセスをマスターすることは、心理学にとってとても大切なことなのです。この「心理学実験Ⅱ」では、「心理学実験Ⅰ」に続いて、そういった心理学実験の基礎を学び、科学的な人間理解のための一連の方法を身に付けることを目的とします。
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