シラバス情報

科目名
心理調査概論
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
前期 木曜日  2時限目  10:40-12:10
教室
教科書
「質問紙調査と心理測定尺度 : 計画から実施・解析まで」 サイエンス社 宮本 聡介 (編集), 宇井 美代子 (編集) ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4781913414

1.担当教員
担当教員
山﨑 洋史
研究室
5号館4階
オフィスアワー
前期:木曜日3時限目13:00−14:30

2.授業の目的
(1)授業の目的
人の心を客観的に理解し、適切な心理支援をするために、心理学研究法のもとに心理調査が開発されている。心理調査を実施し、その結果を科学的に分析し,考察から介入・提言を行い心理支援や社会貢献を実践していくことが求められる。授業では、心理調査が必要とされる対象について,適切な方法を心理学研究法より選択し,調査を実践し、その結果を客観的な手続きで考察し、報告する基礎能力を身につけること目指す。
①心理学研究法に基づく心理調査の「選択」「計画」「実施」「結果」の流れについて基本的理解ができる。
②特定の心理的課題解明のために調査目的を明確化し、心理調査を選択することができる。
③調査目的に基づく,倫理的な配慮を加えた調査項目を設計することができる。
④調査結果を,合致する心理学統計を用いて仮説探索・検証ができる。
⑤調査結果に基づく考察を行い,報告書の作成ができる。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
 心理学調査の一般的な過程及び倫理・結果・考察について概説し、それらを踏まえた心理学調査の基本学修をテーマとして取り扱う。ディプロマポリシー「6.心理学の多様な視点(生理・認知・社会)から、人の心のはたらきと行動を科学的に理解するための知識を備え、現代社会の様々な問題にそれらを応用することができる。」に関わる知識・スキルの獲得を目指す科目である。
① 「心理調査概論」に触れ、通俗的な心理調査への誤解を解く。〈学部DP2①、学部DP2②、心福DP3②、心福DP4①、心福DP4②〉
② 人間の心や行動を理解するための基礎的な知識を持つ。〈学部DP2①、学部DP2②、心福DP4①、心福DP4②〉
③ 人間を理解するための科学的な姿勢と視点を持つ。〈心福DP3②、心福DP4②〉
④ 人間の心や行動について心理学的に考えることができるようになる。〈心福DP1①〉
※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 心理学は科学であり,エビデンスに基づくことが求められる。授業では、科学的人間理解のため心理学研究法に基づく質問紙調査法,実験法,観察法,面接法,尺度構成,心理検査などを順次取り上げ、具体的調査事例を交えて深化させていく。また、調査結果から得られたデータより、仮説探索を行うための多変量解析や,仮説検証を行うための推測統計法も学んでいく。さらに、人間を対象とする研究で最も必要とされる配慮である研究倫理および倫理的配慮の具体的方法も学ぶ。
 講義のみではなく随時アクティブ・ラーニングを実施する。グループワークを取り入れて対話的に、積極的に自らのものとして理解度をあげていく。毎時小レポートを実施する。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
①授業前には,該当する教科書・資料の該当部分にあらかじめ目を通して,疑問点をまとめてくること。
②文科省『大学設置基準』第21条の趣旨を踏まえ,受講者各自において単位の実質化を実現することに留意し,それに必要な自主的学習の時間的ボリュームを確保すること。
(2)授業の受け方
①新しい概念を学修する場合、そのまま受け入れずに、疑問があれば、その疑問を大切にしてほしい。
②主体的に自らの経験や考えとのマッチングを常に行いながら学ぶ
③疑問や質問は積極的に行って、腑に落ちるまで食らいつく意欲があれば素晴らしい。
④グループワーク時は、お互いの視点や考え方を尊重しながら、対話を継続的に行う。
⑤単なる機械的暗記ではなく、その用語が生まれてきた必然について、意味の把握をすることを深めてほしい。
(3)復習の仕方
①授業後に,当日中にノートの内容を整理し,疑問点があれば関連文献やインターネット等で調べて補充しておくこと。
②復習によって理解できなかった事項については,次回以降、随時質問すること。

5.受講にあたってのルール
①グループワーク時、自己および他者を共に尊重する受容的な態度が求められる。違いを大切にすることをルールとする。
②毎時レポート提出は、毎回の授業時間終了時までに行う。
③欠席遅刻の無いようにする。基本的に20分以上の遅刻は出席にカウントされない。基本的に6回以上の欠席は単位習得が出来ない。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
心理調査概論を履修する上での問題意識の明確化を図る<90分>  
第2回
質問紙調査とは何か
  1.1 心理学の目標
  1.2 研究手法
  1.3 データの形式
  1.4 質問紙調査を体験1−1ー① 新しい行動を身につける・・・学習 
教科書 第1章
第3回
研究法と質問紙調査
  2.1 さまざまな研究法
  2.2 研究テーマと研究法
教科書 第2章
第4回
質問紙調査の計画
  3.1 研究テーマの見つけ方と研究スタイル
  3.2 文献の探し方
  3.3 研究計画を立てる
  3.4 スケジュールを立てる
教科書 第3章
第5回
心理測定尺度の概要
  4.1 心理測定尺度とは
  4.2 尺度の構造
  4.3 尺度の信頼性
  4.4 尺度の妥当性
教科書 第4章
第6回
心理測定尺度の探し方・使い方
  5.1 資料を探す
  5.2 心理測定尺度を使う
  5.3 心理測定尺度を独自に作る
教科書 第5章
第7回
質問紙の作成から配付まで
  6.1 質問紙の作成方法
  6.2 質問紙の配布と回収
教科書 第6章
第8回
データの整理
  7.1 回収した質問紙を整理する
  7.2 データを入力する
  7.3 データの概要を把握する
教科書 第7章
第9回
心理測定尺度の尺度構成
  8.1 尺度項目の選定
  8.2 尺度の信頼性と妥当性の検討
教科書 第8章
第10回
平均値の比較と相関分析
  9.1 平均値の差の検定
  9.2 相関分析
  9.3 回帰分析
教科書 第9章
第11回
卒業論文・レポートの書き方
  10.1 論文・レポートの構成
  10.2 本文(表題から引用文献まで)
  10.3 後付け(謝辞・付録)
教科書 第10章
第12回
ウェブを使った調査の実施方法
  11.1 ウェブ調査の基礎
  11.2 ウェブを使った調査の方法
  11.3 ウェブを使った調査の注意点自由回答法とその後の分析方法—テキストマイニング
 
教科書 第11章
第13回
 自由回答法とその後の分析方法—テキストマイニング
  12.1 自由回答法の特徴
  12.2 自由回答法によるデータ収集
  12.3 意味内容にもとづく分析—KJ法
  12.4 含まれる単語にもとづく分析—テキストマイニング質問紙調査法と質的研究
  
教科書 第12章
第14回
プレゼンテーション1
シェアリング
第15回
プレゼンテーション2
シェアリング
第16回
予習・復習

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)テスト(60%)〈到達目標①、到達目標②〉
(2)課題レポート(20%)〈到達目標③、到達目標④〉
(3)授業への参加(20%)〈到達目標④〉

8.参考図書・文献
質問紙調査と心理測定尺度—計画から実施・解析まで
宮本 聡介 (編集), 宇井 美代子 (編集)
サイエンス社
‎ 978-4781913414

9.履修上の注意
(1)欠席が6回以上となった学生は、単位取得ができない。
(2)特別な配慮を要する学生は事前に担当教員に申し出ること。
(3)授業実施に関する掲示を時々するので、随時注意して見ておくこと