シラバス情報

科目名
心理査定実習
開講年度学期
2024年度後期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
金曜日3〜4校時(13:00〜16:10)
教室
525教室
教科書

1.担当教員
担当教員
中嶋 みどり、茂木 千明
研究室
5号館4階
オフィスアワー
茂木:水曜日2校時(10:40〜12:10)
中嶋:水曜日2時限(10:40〜12:10)

2.授業の目的
(1)授業の目的
基本的な心理検査の実習を通し、実施手順や結果の整理・解釈の方法が分かる。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 心理検査のマニュアルを見ながら練習することで、自分ひとりでも何とか心理検査が実施でき、基本的な集計とそれに基づく解釈ができるようになる。
② 心理検査を実際に体験することによって、心理検査を実施する際の倫理的配慮や留意点について自らが気づき、実践・遵守できる。
 
 本科目は、心理福祉学科のディプロマ・ポリシー「(7)科学的な人間理解のための研究法や、その結果を適切に報告するためのプレゼンテーション能力、議論するためのコミュニケーション能力を備えている。」に基づき、特に心理検査の実施や結果の書き方を身につけることの達成を目指している。


※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
 「心理的アセスメント」に基づき、様々な心理検査(発達検査・知能検査・質問紙法や投影法による性格検査)について、各検査のもつ性質を理解し、実施手順や結果の整理・解釈の方法を学ぶ。被検査者としての心理的体験を通じて、心理検査の必要性・有用性について考えるとともに、倫理的配慮の在り方について学ぶ。そして、関与しながらの観察に基づいたデータも適用しながら、実施および解釈の際の留意点について理解し、結果をレポートとしてまとめる。

本科目は、公認心理師・臨床心理士としての実務経験のある教員による授業である。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
実習で扱う心理検査に関しては、前期の「心理的アセスメント」の授業で学んだ内容を、事前に理解して実習に臨むこと。
(2)授業の受け方
1.心理検査の実習は、その手続きや検査の実施、結果の整理・解釈といった作業が中心となる。出席して実際に自分で作業をしないことには意味がないので、欠席・遅刻・早退がないようにするのはもちろん、出席するだけではなく、様々な作業に積極的に取り組むことが求められる。
2.マニュアルや資料をもとに、多くの情報量を扱いながら、結果を読み取り、解釈を深め、広げていくものであるため、積極的に自身でもメモを取ること。
(3)復習の仕方
 心理検査の結果の整理や解釈などが宿題として出される場合がある。また、各心理検査に関して、心理検査報告書(実習レポート)の提出を求める。各心理検査の概要については、複数の文献から要点を書き出し、自身の言葉でまとめる(ホームページからの引用を避ける)など、最後まで手を抜かずに取り組むこと。

5.受講にあたってのルール
(1) 実践を通して学ぶ作業中心の授業であるため、それ以外の活動やその妨げになる活動は当然認められない。私語、授業と関係ない作業、居眠り、飲食等は厳禁。
(2) 被検査者に対して行う実践につながる授業であるため、欠席、遅刻、早退は基本的に認められない。軽い遅刻のつもりが、途中参加が不可能な実習であることや、状況によって欠席になってしまう場合もあるので、注意すること。やむを得ず欠席する場合も、事前に(判明した時点で)必ず自ら、担当教員に連絡すること。無断欠席・遅刻をし、連絡を自分からしない、その事由が考慮に値しない場合は、履修継続や単位取得を認めない場合がある。
(3) 心理検査の実習レポート(報告書)は、提出期限を厳守すること。期限までに提出しない場合には評価を与えられない可能性がある。止むを得ない理由で期限を過ぎてしまう場合は、担当教員に事前に相談すること。
(4) 紛失などの万が一の場合に備えてすぐに対応できるようにするため、レポートの提出の際には、必ずコピーをとっておくこと。虚偽等を疑われないための自衛手段として、必ず信用できるメディアに保存して消さないこと。
(5) 検査データや心理検査に関する資料等は、倫理的に重要な資料であることから、持ち歩き、提出等に関し、細心の注意を払って扱うこと。また検査用紙や貸出物の汚損・破損がないようにすること。なお、心理検査の汚損・破損があった場合でも、再配布は行わない。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
検査者と被検査者の関係について理解する
「心理的アセスメント」の復習をしておくこと
第2回
質問紙法による心理検査①:パーソナリティ検査の実施
質問紙法の特徴(長所・短所、適用・限界、検査例)、心理検査が具備すべき条件
検査の内省を記録すること
第3回
質問紙法による心理検査②:パーソナリティ検査の集計
実施した心理検査の概要について、予習・復習すること。
結果の集計作業を丁寧に終えておくこと
第4回
質問紙法による心理検査③パーソナリティ検査;解釈仮説と報告
自身の心理検査結果を丁寧に読み取り、考察を深めること
レポート課題①の提示
第5回
投映法による心理検査(A)
描画法①:投映法の原理、検査の実施
投映法の特徴、原理、投映法の心理検査技術について、予習しておくこと
第6回
投映法による心理検査(A)
描画法②:投映法の検査者−被検者関係、実施した検査の概要
投映法による心理検査(A)の「描画法①」で行った検査の概要をまとめること
レポート課題①の提出
第7回
投映法による心理検査(A)
描画法③:描画法の理論、解釈仮説、その他の描画法
自身の心理検査結果を丁寧に読み取り、深めておくこと
レポート課題②の提示
第8回
子ども向けの心理検査①
心理判定と発達検査
乳幼児健診・療育手帳の判定について
発達検査の実施・結果の整理
子どもの発達の理解とレポート
第9回
子ども向けの心理検査②
知能検査
知能検査の実施・結果の整理
レポート課題②の提出
第10回
子ども向けの心理検査③
知能検査
知能検査の実施・結果の整理
ビネー法とウェクスラー法の理解とレポート
第11回
投映法による性格検査(B)
SCT①
SCTの実施の理解
評価の仕方の練習
第12回
投映法による性格検査(B)
SCT②
評価カテゴリーの理解・刺激分ごとの分析
SCTの結果の解釈方法・まとめ方
SCTの結果の解釈とレポート
第13回
投映法による性格検査(C)
PFスタディ①
PFスタディの実施の理解
記号化の理解
第14回
投映法による性格検査(C)
PFスタディ②
数量化の理解
PFスタディの結果の解釈方法・まとめ方
PFスタディの結果の解釈とレポート
第15回
まとめ(事例検討)
心理検査における倫理的配慮と留意点の理解
第16回
予習・復習
授業外作業として、心理検査1つずつに対して、検査結果・所見をまとめ、レポート(報告書)を作成する。
目安の時間は、授業1コマにつき、予習・復習120分が必要である。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)出席しての作業への参加(約50%)…出席および授業内の作業・課題に対する取り組みの程度を評価する。
(2)実習レポート(約50%)…心理検査ごとに出されるレポートを評価する。1つでも未提出のレポートがある場合は「不合格」となる。

8.参考図書・文献
心理学基礎演習vol.5 心理検査の実施の初歩
願興寺礼子・吉住隆弘
ナカニシヤ出版
9784779503870
臨床心理アセスメント 新訂版
松原 達哉
丸善出版
9784621086483

9.履修上の注意
(1) 「心理的アセスメント」を履修し、単位を取得していること。
(2) 実習に参加するにあたって、心配や不安、事前に伝えておきたいことがある学生は、第2回授業までに担当者に申し出ること。