シラバス情報

科目名
書道
開講年度学期
2024年度前期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
木曜日1時限(9:00〜10:30)
教室
生活造形実習室
教科書
書の古典と理論(光村図書)

1.担当教員
担当教員
佐藤 光生
研究室
非常勤講師室
オフィスアワー

2.授業の目的
(1)授業の目的
文字文化と手書き文字に対しての理解を深めることを目的とします。そのために、授業では書道に関する知識と技能(理論と実技)の習得に努め、子どもの成長発達を支える手書き文字の指導方法を身に付けることを目指します。

(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
到達目標
① 漢字と仮名の成り立ちや歴史ならびにそれぞれの特徴を理解し、基本用筆を身に付ける。〈発達DP①〉
② 楷書の代表的な古典二種及び行書の代表的な古典一種を臨書し、用筆法と結体法の基礎を理解する。〈発達DP②〉
③ さまざまな書体の毛筆による技法を理解し、毛筆による作品制作を試み表現力を高める。〈発達DP④〉


※各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1vMVlJoCFFsO-n6_ljtpbwYmSL2IAU5Q3/view?usp=drive_link】
※各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1H_tCOiCeKmdQnNmr-Lh4INKo7mlB-jmt/view?usp=drive_link】

3.授業の概要
現在の義務教育で行われている国語科の中での書写教育の位置づけを理解し、その基礎となる理論学習と毛筆を使用した実技を主体とします。
① 漢字と仮名の歴史を概観し、小中学校で習う漢字・仮名の基本用筆の学習。
② 初唐時代の楷書の古典「九成宮醴泉銘」・「雁塔聖教序」の臨書。
③ 王羲之の行書の古典「集字聖教序」の臨書。
④ 仮名な様々な書体を知り、表現力を養うための作品創作をする。
授業のなかでは、運筆法などの理解と確認のため、教員による実演を積極的に行います。授業中には練習した作品は必要に応じて添削指導を行います。対面授業が実施できない場合は、メールなどの手段によって作品の提出を求め、添削や口頭などにより指導します。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
書道に関する歴史などの講義は、事前に教科書に目を通し概要を把握しておくことによって理解度と関心が高まります。「授業計画と予習・復習の内容及び必要な時間」にそって授業を展開するので、与えられた資料(プリント)と教科書に掲載されている古典などを事前によく観察しておいてください。
(2)授業の受け方
授業では、小学校で現在行われている書写教育から始まり、書の代表的漢字古典の二書体三種を学びます。さらに、かな文字や漢字かな交じり文の学習と作品制作まで多岐にわたり学習します。皆さんが書に深く関心を抱き、興味をもって授業に臨めるように授業を進めていきます。つきましては授業を受けるにあたって、下記の三点に特に留意しください。
1. 書道用具は高価なものは必要ありませんが、小中学校時代に使用した筆や墨などは傷んでいる場合が多いので、なるべく新しいものを準備してください。第一回の授業開始時に参考に推奨品を用意します。
2. 授業開始前に書道用具一式をそろえて、速やかに実習に取り掛かれるように準備しておいてください。
3. 時間的制約の都合上、磨墨せずに市販の墨汁を使用して構いません。(普通濃度のものを使用してください。)
4. 実習に当たっての疑問点や不明な点は、積極的に申し出でください。
(3)復習の仕方
実技に関しては添削された作品には、口頭で指導された事項をぺんで書き込み、次回の授業に役立てる意識をもつことによって進展が望めます。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
  受講時は、私語を慎み、携帯電話での通話および飲食は禁止します。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
  30分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席とみなします。欠席した場合は、「欠席届」を提出してください。
  欠席した授業時の課題提出期限は2週間後とします。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
手書き文字の必要性と書写教育と書道について(導入)
本講義の教科書「書と古典の理論」の理論編第一章「文字・書の意義と特筆」を予習として読むこと。
第2回
1.書道用具の扱い方を学び、筆・墨・紙の特徴を知る。
2.小学校国語科書写に登場する漢字を書いてみる。
1.受講前に書道用具の点検と準備を行うこと。
2.与えられた課題を反復練習をすること。
第3回
書の歴史と書体の変遷の概要を学び、楷書体の特徴と基本用筆を学ぶ。
教科書掲載の「中国楷書の古典」に目を通しておくこと。
教科書、理論編第五章「漢字の書」◇「漢字の書」の定義と種類 を読んでおくこと。
第4回
九成宮醴泉銘の解説及び臨書(1)
教科書、古典偏(中国)—楷書「九成宮醴泉銘」に目を通し、巻末の名跡集図版を鑑賞する。
清書提出
第5回
九成宮醴泉銘の臨書(2)
九成宮醴泉銘の拓本資料を事前によく観察しておくこと。参考手本(教員の書いたもの)を提示するのでこれに随って復習する。
清書提出
第6回
雁塔聖教序の解説および臨書(1)
教科書、古典偏(中国)—楷書「雁塔聖教序」に目を通し、図版を鑑賞しておくこと。
第7回
雁塔聖教序の臨書(2)
雁塔聖教序の拓本資料を観察しておくこと。
清書提出
第8回
行書体の特徴と基本用筆を学ぶ
教科書、理論編第五章「漢字の書」行書の種類と書き方を読んでおくこと。
第9回
集字聖教序の解説および臨書(1)
教科書、古典偏(中国)—行書「集字聖教序」に目を通しておくこと。
第10回
仮名の生い立ちを知り、その特徴と基本用筆を学ぶ。
教科書理論編第六節「仮名の書」を事前に読んでおくこと。
小筆の準備
第11回
小筆を使用して平仮名と漢字を交えて書く(1)
与えられた課題を反復練習すること。
清書提出
第12回
小筆を使用して平仮名と漢字を交えて書く(2)手紙文
手紙文の文章を事前に考えておくこと。
第13回
様々な書体を知る
教科書古典偏「篆書」「隷書」「草書」の図版を観察しておく
第14回
与えられた選択課題の中から、語句を選び好みの書体で作品を書く
事前に与えられた資料をもとに、詩句の選定を数種に絞っておく
第15回
色紙に好みの書体で作品を書く
漢詩句や熟語の中から書きたい文字を選定しておく(1字から5字まで)
作品は撮影後に持ち帰り
第16回
予習・復習
予習については課題古典を事前に観察してその特徴などを自分なりに把握することに務めてください。復習については、書写および古典臨書などの技術習得には、練習量の多寡が大きく影響するため、授業で登場した課題を繰り返し練習することが望まれます。予習復習については、概ね授業の前後にそれぞれ1時間程度の時間を確保してください。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
文字文化と手書き文字に対しての理解を深め、代表的な書体の基本用筆を身に付けることを目標とする授業のため、実技が授業の大半を占めています。書塾などでの書道体験者や部活動などで書道を行っていた学生と、小中学校の書写経験しかない学生とでは、実技作品の良否に違いが出てくることは否めません。そのために提出作品の評価は、個別添削指導や口頭指導したことに対する到達度を重視し、これを全体評価の50%とします。さらに授業への取り組み態度を50%とします。

8.参考図書・文献
国語書写の理論と実践
全国大学書写書道教育学会
萱原書房
978-4-86012-102-0

9.履修上の注意
受講に際しては、心配や不安なことなどがある場合は、必ず2回目の授業までに担当者に相談してください。事情によっては、レポートなどの代替課題を課すなどの、特別な配慮を行う場合があります。
【一時的な遠隔事業の対応について】
遠隔授業には対応していません。(欠席となります。)
【災害時の授業対応について】
遠隔授業を実施しますので、対面授業が中止になった当日は必ずUNIPAを確認してください。