シラバス情報

科目名
食品学実験Ⅰ (火曜Ⅰ・Ⅱ校時)
開講年度学期
2023年度前期
配当学年
1年
ナンバリング
単位
1単位
時間
火曜日Ⅰ・Ⅱ校時(9:30〜11:55)(B組)
教室
実験室2
122教室(期末試験時)
教科書
『Nブックス実験シリーズ 食品学実験』(青柳・有田編著、建帛社)

1.担当教員
担当教員
小嶋 文博
研究室
169室(1号館6階)
オフィスアワー
月曜日Ⅲ校時

2.授業の目的
(1)授業の目的
 滴定操作を行う定量分析や食品成分の性質を見る定性分析、分光光度計を用いた定量分析などを行い、実験操作を正確に行え、かつ、分析等の原理を説明できるようになることを目的とする。また食品学Ⅰで学ぶ知識に関する実験が組んであるので、座学での知識を深めることも目的である。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①化学実験の基礎的な注意事項、試薬や器具の取り扱い方を理解し、間違わずに実験を行える。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
②さまざまな実験を通して、食品成分の物理・化学的特性について理解するとともに、定性実験と定量実験の違い・原理について説明できる。
特に分光光度計を用いた化学成分等の定量化法の原理について説明できる。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
③モル濃度、重量百分率、密度、pH、顕微鏡の使い方、ヨウ素-デンプン反応、中和反応、酵素反応、魚や卵の鮮度判定、乳化、脂溶性色素と水溶性色素、アミノ・カルボニル反応について理解を深め、説明等ができる。
〈健栄DP2①、健栄DP2②〉
※2023年度各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/12fXHZFs-QxpNCVWvy1Ah18OkW4o0cwMx/view?usp=sharing】
※2023年度各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1_VfRI8PurPp9sWP0mwRAT3xoGWeppXkA/view?usp=sharing】

3.授業の概要
 食品学実験Ⅰでは、最初に化学実験の基礎的な注意事項、試薬や器具の取扱い方を学び、続いて、実験における有効数字や濃度の単位についても学ぶ。基本事項の座学の後に、溶液の密度測定、食品のpH測定、光学顕微鏡を用いた食品中の結晶構造の観察、古米と新米の判別、デンプンの糊化試験、牛乳カゼインの分離、油脂の乳化、果実の糖度と酸度測定、果実のプロテアーゼ(酵素)による食肉タンパク質の分解、ヘム色素・カロテノイド・クロロフィル・アントシアニン・フラボノイド色素の分離と色調変化、酵素的褐変と非酵素的褐変(アミノ-カルボニル反応)、中和滴定、ビタミンCの定量、抗酸化試験、魚類の鮮度判定、鶏卵の鮮度判定などの実験を行う。これらの実験を通して、食品と実験の両方に興味をもっていただき、かつ、基本的な実験操作を身につけていただいて、定量分析を中心とした食品学実験Ⅱへの足掛かりとする。なお、レポート作成時には、グループディカッションを取り入れ、得られた実験結果に対するグルー
プとしての考察を記してもらう(アクティブ・ラーニング)。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
【6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間】にそって授業を行うので、教科書または配布資料の該当するテーマ・内容の部分に目を通し、当日に行う実験のイメージを抱いてくること。
(2)授業の受け方
 当日は、行う実験の原理や実験操作について説明を行った後で実験を行ってもらうので、その説明をよく聴き、メモを取るなどしておくこと。実験は数名のグループ単位で行い、レポートもグループ単位とする。実験レポートは、その回専用の実験レポート用紙を配付するので、そのレポート用紙にグループの代表者が書いて、実験実施当日中に提出すること。
(3)復習の仕方
 提出された実験レポートは翌週に返却するので、実験当日に受けた説明や実験操作の重要点、生の実験結果、実験レポート返却時のコメントなどを書き込んだものと一緒に、返却された実験レポートをファイリングしておくとよい(返却時はグループ人数分をコピーして返却する)。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
・受講時は、私語を慎み、説明をよく聴き、積極的に実験に取り組むこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
・遅刻が20分を超えた場合は欠席扱いとする。また遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席扱いとする。
・欠席した場合は、後日「欠席届」を提出すること。メールでの欠席等の連絡は行わないこと。
(3)欠席回数・実験レポート未提出回数の扱い
・実験15回のうち、欠席回数が5回以上の者は期末試験を受験できない(すなわち再履修となる)。
(4)実験レポート提出にあたってのルール
・指示した提出期限(通常は当日)までに提出すること。提出期限に遅れた場合は減点対象とする。
(5)期末試験時の不正行為の扱い
・カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション(シラバスの確認)
実験の基礎知識①
実験の心得、実験器具の種類と使用方法、実験器具の洗浄・乾燥・保管法、試薬の取扱いと調製、レポート作成について
【予習】教科書該当箇所(1〜17頁)を読んでおくこと。
【復習】教科書、配布資料の見直し。
第2回
実験の基礎知識②
物質量、平均値・分散・標準偏差、有効数字、物質量や濃度を表す単位について
【予習】教科書該当箇所(1〜17頁)を読んでおくこと。
【復習】教科書、配布資料の見直し。
第3回
溶液の密度測定、食品のpH測定
【予習】講義資料(1〜2頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第1回実験レポート(3点)
※参照:教科書3頁、14頁
第4回
光学顕微鏡による結晶(シュウ酸Ca)の観察
【予習】講義資料(2〜3頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第2回実験レポート(3点)
※参照:教科書47頁
第5回
古米と新米の判別,デンプンの糊化試験
【予習】講義資料(4〜5頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第3回実験レポート(3点)
※参照:教科書48-49頁
第6回
牛乳カゼインの分離とカゼインの等電点
油脂の乳化に関する観察
【予習】講義資料(6〜7頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第4回実験レポート(3点)
※参照:教科書21-22頁、24頁、38-39頁
第7回
果実の糖度・酸度および品質
果実プロテアーゼによる食肉タンパク質の分解
【予習】講義資料(7〜9頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第5回実験レポート(3点)
※参照:教科書40-45頁
第8回
色素に関する実験①
ヘム色素・クロロフィル色素の加熱変化
【予習】講義資料(10〜12頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第6回実験レポート(3点)
※参照:教科書78-81頁
第9回
色素に関する実験②
アントシアニン色素・フラボノイド色素の加熱変化
【予習】講義資料(13〜14頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第7回実験レポート(3点)
※参照:教科書64-67頁
第10回
酵素的褐変,非酵素的褐変(アミノ・カルボニル反応)
【予習】講義資料(15〜17頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第8回実験レポート(3点)
※参照:教科書72-77頁
第11回
有機酸の定量(中和滴定)
【予習】講義資料(17〜18頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第9回実験レポート(3点)
※参照:教科書7-9頁、82-83頁
第12回
ビタミンCの定量
【予習】講義資料(18〜20頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第10回実験レポート(3点)
※参照:教科書56-58頁
第13回
抗酸化試験(DPPHを使ったラジカル捕捉活性の測定)
【予習】講義資料(20〜22頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第11回実験レポート(3点)
※参照:教科書86-87頁
第14回
魚介類の鮮度判定
【予習】講義資料(22〜23頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第12回実験レポート(3点)
※参照:教科書88-89頁
第15回
鶏卵の鮮度判定(卵白係数・卵黄係数・ハウユニット)
【予習】講義資料(23〜25頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第13回実験レポート(3点)
※参照:教科書90-91頁
第16回
期末試験
予習・復習
 食品学実験Ⅰは実験・実習科目で1単位なので、予習・復習の時間設定はしておりませんが、予習・復習欄に教科書または講義資料の該当頁が記されている場合には、その箇所を読んでおくこと。また復習についても、予習・復習欄に記されていることを、短い時間で実行しておくこと。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)実験レポート(39%):実験レポートの提出は全部で13回ある。3点/回なので、全回分で39点となる。
〈到達目標①〉
(2)期末試験(61%):実験等を通して学んだ知識と理解度を測るために筆記試験を行う(予め練習問題を配布)。
〈到達目標②、到達目標③〉
(3)受講態度:1回でも受講時のマナーが悪かった場合は、最終的な評価の段階で、最大10点の範囲で減点する場合がある。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)本科目は、健康栄養学科の卒業必修科目ですので、健康栄養学科の学生は、必ず履修してください。
(2)本科目は、栄養士資格、管理栄養士国家試験受験資格、食品衛生管理者及び食品衛生監視員任用資格のための履修要件科目となっております。
(3)受講に際して、特別な心配や不安なことがある場合は、必ず2回目の授業までに担当教員にご相談ください。状況に応じて特別な対応、特別な配慮を行える場合があります。
(4)体調不良等による一時的な遠隔授業の対応は一切いたしません(欠席となります)。
(5)自然災害(台風、大雪等による交通機関に影響がでた場合)により、本学が対面授業を中止した場合には休講といたします。