シラバス情報

科目名
生化学実験 (木曜Ⅰ・Ⅱ校時)
開講年度学期
2023年度後期
配当学年
2年
ナンバリング
単位
1単位
時間
木曜日Ⅰ・Ⅱ校時(9:30〜11:55)(A組)
教室
実験室2
141教室(期末試験時)
教科書
『Nブックス実験シリーズ 生化学実験』(後藤潔編著、建帛社)

1.担当教員
担当教員
小嶋 文博
研究室
169室(1号館6階)
オフィスアワー
木曜日Ⅲ校時

2.授業の目的
(1)授業の目的
 生体内の化学反応に関わる酵素と遺伝情報の保存・伝達に関わるDNAの性質・扱い方・特性について理解し、自ら説明できることを目的とする。また分子生物学的な実験手法についても原理を理解し、説明できることを目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①実験の基本操作、ピペット操作がきちんとでき、試薬の希釈法を説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
②酵素の機能と諸性質、酵素活性の調節機構、酵素反応速度論、補酵素の機能について理解し、概説できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
③タンパク質と核酸の構造的相違を理解し、その分析・検出法の違いについて説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
④電気泳動の原理を理解し、タンパク質や核酸の電気泳動法について説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
⑤PCRの原理について理解し、特定遺伝子の増幅法と遺伝子変異について説明できる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
⑥遺伝子工学の手法を活用して核酸を取り扱うことができる。
〈健栄DP1、健栄DP2、健栄DP3、健栄DP4〉
※2023年度各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/12fXHZFs-QxpNCVWvy1Ah18OkW4o0cwMx/view?usp=sharing】
※2023年度各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1_VfRI8PurPp9sWP0mwRAT3xoGWeppXkA/view?usp=sharing】

3.授業の概要
 生化学実験は、食品学実験等と比較して、生体成分の核酸などの「微量」を扱う場合が多いため、実験操作の不慣れが実験結果に及ぼす影響が大きい。そこで、生化学実験では「微量」を正確に扱えるよう、特にピペット操作と希釈操作の鍛錬を初めに行う。それから、たんぱく質の抽出・精製・定量、SDS-PAGEによるたんぱく質の同定、酵素活性の測定(pH、温度、基質濃度、阻害物質)、ヒトDNAの抽出と定量、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの増幅と遺伝子多型の判定、大腸菌への遺伝子導入実験、などの実験を行う。これらを通して、生体成分(DNAやタンパク質、酵素)の扱いを注意深くできるようになってもらい、酵素への理解も深め、さらに電気泳動やブロッティング、ELISA、PCR、遺伝子組換えなどの技術の基本原理を説明できるよう理解を深めていただく。なお、レポート作成時には、グループディカッションを取り入れ、得られた実験結果に対するグループとしての考察を記してもらう(アクティブ・ラーニング)。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
【6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間】にそって授業を行うので、教科書または配布資料の該当するテーマ・内容の部分に目を通し、当日に行う実験のイメージを抱いてくること。
(2)授業の受け方
 当日は、行う実験の原理や実験操作について説明を行った後で実験を行ってもらうので、その説明をよく聴き、メモを取るなどしておくこと。実験は数名のグループ単位で行い、レポートもグループ単位とする。実験レポートは、その回専用の実験レポート用紙を配付するので、そのレポート用紙にグループの代表者が書いて、実験実施当日中に提出すること。
(3)復習の仕方
 提出された実験レポートは翌週に返却するので、実験当日に受けた説明や実験操作の重要点、生の実験結果、実験レポート返却時のコメントなどを書き込んだものと一緒に、返却された実験レポートをファイリングしておくとよい(返却時はグループ人数分をコピーして返却する)。

5.受講にあたってのルール
(1)受講時の基本姿勢(マナー)
・受講時は、私語を慎み、説明をよく聴き、積極的に実験に取り組むこと。
(2)遅刻・欠席・早退の扱い
・遅刻が20分を超えた場合は欠席扱いとする。また遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席扱いとする。
・欠席した場合は、後日「欠席届」を提出すること。メールでの欠席等の連絡は行わないこと。
(3)欠席回数・実験レポート未提出回数の扱い
・実験15回のうち、欠席回数が5回以上の者は期末試験を受験できない(すなわち再履修となる)。
(4)実験レポート提出にあたってのルール
・指示した提出期限(通常は当日)までに提出すること。提出期限に遅れた場合は減点対象とする。
(5)期末試験時の不正行為の扱い
・カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を0点とする(すなわち再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション(シラバスの確認)
第1章 生化学実験の基礎知識
1.生化学実験の基礎知識
【予習】教科書該当箇所(1〜10頁)を読んでおくこと。
【復習】教科書の見直し。
第2回
第1章 生化学実験の基礎知識
2.ピペット操作:プランジャーピペット
3.希釈法
【予習】教科書該当箇所(11〜19頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第1回実験レポート(4点)
第3回
第2章 生体高分子の抽出と精製
1.DNAの抽出と定量
【予習】教科書該当箇所(20〜23頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第2回実験レポート(4点)
第4回
第2章 生体高分子の抽出と精製
2.たんぱく質の抽出と定量
【予習】教科書該当箇所(24〜27頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第3回実験レポート(4点)
第5回
第2章 生体高分子の抽出と精製
3.たんぱく質の精製
(2)リゾチーム活性の測定
【予習】教科書該当箇所(28〜29頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第4回実験レポート(4点)
第6回
電気泳動・ブロッティングとELISA、PCRについて(講義中心)
【予習】講義資料を読んでおくこと。
【復習】専門用語と小テスト問題の復習。
小テスト
第7回
第2章 生体高分子の抽出と精製
4.SDS-PAGEによるタンパク質の同定
【予習】教科書該当箇所(32〜35頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第5回実験レポート(4点)
第8回
第3章 酵素活性の測定
1.反応至適条件
(1)p-ニトロアニリンの検量線作成
(2)酵素活性に及ぼすpHの影響
【予習】教科書該当箇所(36〜38頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第6回実験レポート(2点)
第9回
第3章 酵素活性の測定
(3)酵素活性に及ぼす温度の影響
(4)酵素活性に及ぼす基質濃度の影響
(5)ミカエリス-メンテン型の酵素の反応速度論
【予習】教科書該当箇所(39〜42頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第7回実験レポート(4点)
第10回
第3章 酵素活性の測定
3.酵素反応の阻害
【予習】教科書該当箇所(48〜53頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第8回実験レポート(4点)
第11回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
1.口腔粘膜細胞(または毛髪)からのDNA抽出
【予習】教科書該当箇所(71〜73頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第9回実験レポート(2点)
第12回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
2.ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの増幅
【予習】教科書該当箇所(74〜75頁)を読んでおくこと。
【復習】PCRについて説明できるかを確認すること。
第13回
第6章 ヒト遺伝子多型の検出
4.アガロースゲル電気泳動法によるPCR断片長の判定
【予習】教科書該当箇所(76〜79頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第10回実験レポート(4点)
第14回
第8章 遺伝子導入実験(講義中心)
1.大腸菌への遺伝子導入
【予習】教科書該当箇所(92〜96頁)を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
※講義資料配布。
第15回
第8章 遺伝子導入実験
1.大腸菌への遺伝子導入
2.形質転換効率の測定(翌日)
【予習】講義資料を読んでおくこと。
【復習】実験レポートが返却されたら見直すこと(実験時の反省、考察の内容等)。
第11回実験レポート(4点)
第16回
期末試験
予習・復習
 生化学実験は実験・実習科目で1単位なので、予習・復習の時間設定はしておりませんが、予習・復習欄に教科書の該当頁が記されている場合には、その箇所を読んでおくこと。また復習についても、予習・復習欄に記されていることを、短い時間で実行しておくこと。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)実験レポート(40%):実験レポートの提出は全部で11回あり、全回分で40点となる。
〈到達目標①、到達目標②、到達目標⑥〉
(2)期末試験(61%):実験等を通して学んだ知識と理解度を測るために筆記試験を行う(予め練習問題を配布)。
〈到達目標③、到達目標④、到達目標⑤〉
(3)受講態度:1回でも受講時のマナーが悪かった場合は、最終的な評価の段階で、最大10点の範囲で減点する場合がある。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)本科目は、健康栄養学科の卒業必修科目ですので、健康栄養学科の学生は、必ず履修してください。
(2)本科目は、栄養士資格、管理栄養士国家試験受験資格、食品衛生管理者及び食品衛生監視員任用資格のための履修要件科目となっております。
(3)受講に際して、特別な心配や不安なことがある場合は、必ず2回目の授業までに担当教員にご相談ください。状況に応じて特別な対応、特別な配慮を行える場合があります。
(4)体調不良等による一時的な遠隔授業の対応は一切いたしません(欠席となります)。
(5)自然災害(台風、大雪等による交通機関に影響がでた場合)により、本学が対面授業を中止した場合には休講といたします。