シラバス情報

科目名
心理福祉専門演習Ⅱ
開講年度学期
2023年度後期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
1単位
時間
火曜日1時限(9:00〜10:30)
教室
533教室
教科書
特に使用しない

1.担当教員
担当教員
中嶋 みどり
研究室
5号館4階
オフィスアワー
木曜5時限(16:20〜17:50)

2.授業の目的
(1)授業の目的
 本演習は、卒業研究を見据えた演習である。本演習では先の「心理福祉専門演習Ⅰ」を踏まえ、心理学論文の読み取り方と生産的な討論を丁寧に学ぶことを主眼に、卒業研究につなげた計画立案につなげ、自身の計画案を作成する基礎を身につけることを目的とする。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
① 自身の関心のあるテーマ、キーワードを明確にし、先行研究の要点を押さえ、紹介することができる。<心理福祉DP7>
② 自身の研究だけでなく、他者の研究・発言に関心を持ち、敬意を払いながら、著者の視点、批判的思考に基づく視点、自身の考えを適切に述べることができる。<心理福祉DP1、心理福祉DP6>
③ 研究倫理を理解し、適切な配慮、行動規範を選択できる。<心理福祉DP7>
④ 自身の研究計画について、目的、仮説を定め、仮説を検証できる対象者、手続きが意図をもって選択されており、仮説に合った分析方法が検討され、実現可能な計画をたて、データ収集・基礎的な解析ができる。<心理福祉DP1、DP6>
※2023年度各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/12fXHZFs-QxpNCVWvy1Ah18OkW4o0cwMx/view?usp=sharing】
※2023年度各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1_VfRI8PurPp9sWP0mwRAT3xoGWeppXkA/view?usp=sharing】

3.授業の概要
 卒業研究に向けて自分の関心を絞ることを視野に入れ、研究の一連の流れを習得する演習である。文献を批判的に読みとり、そのテーマに関心を持って生産的な意見を持って、研究計画を立てること、データを収集するための具体的な手順を学び、卒業研究の現実的な計画を立案できるようになる力を醸成することを重視した、アクティブラーニングに基づく演習である。また、データの基本的な集計やまとめの手法について学び、要点のまとめ方、考察の仕方についても多様な解釈や仮説を想定して、先行研究との比較など、学術的なアプローチの方法を理解する。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
・心理学で扱われる事象について、データ収集が可能な自身が取り組みたい研究テーマを常に明確にしておくこと。
・調べたいテーマについて先行研究について文献を調べ、研究目的、計画、分析方法、データ収集、解析、考察に基づいた内容を理解し、まとめあげ続けること。
・演習でプレゼンテーションするために、プリント(PowerPointのスライドなどのプレゼン資料)を作り、自身の状況を把握すること。
※課題の提示・提出にあたっては、UNIPAやGoogle Forms、Jamboard等、LMSをはじめとするICTを活用する。
(2)授業の受け方
・関心のある研究テーマの先行研究の理解度、進捗状況を、資料や口頭で報告する。
・発表は、自分の力でできる限り理解し、他人にも理解できるように伝えること。自分の理解に限界が出てくることは当然起こりえるため、その場合は、そこまでの努力をどのようにしたかを明確に述べること。
・学生同士でデータ収集ができる可能な手法、倫理などを理解して、現実的に実施可能な案を考えること
・問いかけも時にするため、積極的に回答・参加すること。
・次に進むために、自分が今何をすべきかを理解すること。
(3)復習の仕方
・演習でまとめたこと、指導を受けたことを早いうちに振り返り、理解を定着させること。
・次に何をすべきかに基づき、さらに先行研究等、文献を読み進め、不明な点や疑問点を解決しながら研究を進めること。
・行き詰まったら、遠慮なく相談すること。

※課題の提示・提出にあたっては、UNIPAやGoogle Forms、Jamboard等、LMSをはじめとするICTを活用する。

5.受講にあたってのルール
①受講時は、内職等は行わないこと。
②自他いずれの発表でも、関心を持ち、自分なりの意見を持ち、生産的なコメントをすること。また研究を進めるにあたって、メンバー同士、協力し合う事。
③課題の提出は、演習では重要な学習であるため、課題提出遅延・未提出、欠席等がないようにすること。
④考慮に値する理由のない30分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。考慮に値する理由のない早退は欠席とみなす。
⑤欠席・課題提出遅延の場合、必ず連絡すること。欠席回数が3分の1以上の者は、成績評価の対象としない。考慮に値する事情がある場合は、必ず伝えること。良識の範囲を超えた遅延での報告では、対応できないことを心得ておくこと。
⑥欠席回数3分の1以上の者は成績評価の対象としない(再履修となる)。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
取り組みたい心理学的テーマの収集(KJ法)
シラバスを読んでおくこと
関心のある研究のキーワードを探して用意してくること
第2回
取り組みたい心理学的テーマの集約と決定(KJ法)
・取り組みたい心理学的テーマを決定するため、リサーチクエスチョンをもつこと、
・先行研究を調べて、実施可能なテーマ、方法等を複数考えること
第3回
研究計画の立案①
・決定した心理学的テーマの先行研究を複数概観し、資料を作成すること
・先行研究の独立変数、従属変数、研究手法(調査・実験・面接等)やデータ収集尺度、手順、研究結果を書き出すこと
第4回
研究計画の立案②
・決定した心理学的テーマの先行研究の研究手法(調査・実験・面接等)やデータ収集尺度、手順、研究結果の一長一短を考えておくこと
・自身は、どのような手法、データ収集、手順にしたいか考えること
第5回
研究計画の立案③
・先行研究の研究手法やデータ収集の尺度、手順、研究結果の一長一短に基づき、自身の研究計画の独立変数・従属変数の意見をもつこと
・自身の研究として、適切な手法、データ収集、手順を考えること
第6回
研究計画の立案⓸
・自身の研究計画の独立変数・従属変数に基づく仮説をもち、解析や考察の視点を考えること
・自身の研究計画の研究手法、データ収集、手順を定めること
第7回
データ収集の準備①
・データ収集の対象者の確定、研究尺度、手順を整えること
・心理学研究における倫理
・データ収集のための調査用紙等の作成等を整え、練習できるようにする

第8回
データ収集の準備②
・データ収集の実演・練習、実施
第9回
データ収集のシュミレーションと実践
・研究計画に基づいたデータ収集を行う
・得られたデータの整理をし、解析のための準備をする。
第10回
データ収集と結果のまとめ
・得られたデータに対し、可能な基礎統計処理(質的データの場合は、集約から考察の流れ)を考えること
中間report課題:研究計画のまとめ
第11回
分析方法の検討
・自身の研究仮説を検証するために、可能な基礎統計処理(質的データの場合は、集約から考察の流れ)を考え、まとめること
第12回
分析方法の検討と実践
・自身の研究仮説を検証するために、データ処理の実践
・可能な解析を行い、示された結果をまとめること
第13回
データ処理・解析
・自身の研究計画で可能な解析を行い、示された結果をまとめること
第14回
考察と研究のまとめ
・得られた研究結果がどうしてそのような結果になったか、先行研究との比較・照合
・仮説と異なる研究結果である場合、なぜそうなったか考察すること
第15回
研究のまとめ
・自身の研究計画のレポート作成
期末レポート課題:研究全体のレポート作成
第16回
予習・復習
・予習・復習を行い、演習内で扱った内容や例を理解し、定着させること。
・目安の時間として、授業1コマにつき、予習・復習で60分程度が必要。
・応用的理解が求められるため、自分のテーマだけでなく、多様なテーマや手法に関心をもつこと。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
・レポート・プレゼンテーション(40%)…演習内での複数回のレポート、各自の発表。
・ 参加意欲、関与度(40%)・・・演習内の活動の参加度、生産的な発言、他者への協力、出席。
・ 構想発表のプレゼンテーションと質疑討論(20%)
・課題に対するフィードバックは、内容によりレポートへの書き込みや演習内での討論内で返す予定である。
※実習による欠席は、事前に自ら申し出ていれば、臨機応変に対応するので、滞りなく行うこと。補講は行わないので、自身の責任で不在分を補ってください。

8.参考図書・文献
事例に学ぶ心理学者のための研究倫理【第2版】
安藤 寿康・安藤 典明
ナカニシヤ出版
978-4779505959

9.履修上の注意
・受講に際し、不安なこと、配慮を要することがある場合は、必ず2回目の授業までに担当者に相談してください。事情を考慮し、特別な配慮を行う場合があります。
・遅刻・欠席は、考慮されるべき内容であれば、配慮しますので、判明した時点で即座に報告してください。一方的な連絡だけでなく、こちらの問いや確認に対応する双方向のやりとりができることが当然である。
・欠席回数3分の1以上の者は成績評価の対象としない(再履修となる)。また課題の未提出についても、演習の運営がかかるため、確実に行うこと。
・多様な事象により、対面での授業が全学的に困難と判断された場合には、遠隔(オンライン)に切り替えて授業を継続する可能性があります。その際は、必ずUNIPAやメールを確認してください。