シラバス情報

科目名
人間論 (人間発達)
開講年度学期
2023年度前期
配当学年
3年
ナンバリング
単位
2.00単位
時間
水曜⽇Ⅲ時限(13:00〜14:30)
教室
431教室
教科書
授業でプリントを配布する。

1.担当教員
担当教員
宮崎 正美
研究室
1号館6階
オフィスアワー
月曜14:40-16:10

2.授業の目的
(1)授業の目的
死に向かって生きていく人間とは何か、そのいのちとは何かという問いを現実に則して多角的に考察し、キリスト教的人間学として考察することによって学ぶ。
(2)到達目標とディプロマポリシーとの関連
①「人間学」部における教育研究の意味を理解し、キリスト教的人間学の特徴を把握すること.〈学部DP(1)〜(3)〉
②人間を対象に、多様な面から多様な領域を横断的に考察できるようになる.〈学部DP(1)〜(3)〉
③人間の死の諸相、および人間存在が問われる諸問題を考察対象とすることをとおして、死を超えようとしながら生きる人間のあり方を理解する。〈学部DP(1)〜(3)〉
※2023年度各学科各学年のディプロマ・ポリシーはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/12fXHZFs-QxpNCVWvy1Ah18OkW4o0cwMx/view?usp=sharing】
※2023年度各学科各学年のカリキュラムマップはこちらのリンクからご確認ください。
【https://drive.google.com/file/d/1_VfRI8PurPp9sWP0mwRAT3xoGWeppXkA/view?usp=sharing】

3.授業の概要
 毎回授業で取り上げる話題を対象とし、アクティブ・ラーニングを含めて考察する。
 授業の終わり(約10分程度)に、ミニットペーパーにそれぞれ受講生が学んだ内容を記述し、提出してもらう(その提出物は、授業の理解度および受講態度の評価対象となる)。提出された中から次の授業でいくつかを匿名で引用することがある。自分と異なる意見や考えに接し、考察を深める。
 根本的なテーマは「人間」とその生の意味の探究である。そのための前提として、キリスト教的人間学の必要性、科目の性格と方法論について理解することが必要となる。多様な学的領域を有機的に結びつけて総合的に判断することを学ぶ。授業で扱う人間の生に関する諸問題は多くの場合、明解な「正解」は無い。そのために人間の死に関連する諸課題をとおして考察する。人間存在と不可分に結びついている「死」という現象は、確実なものでありながらその正体は知ることができない。実は生もまた、把握できない側面を多く有する。授業で提供する資料や映像をとおして、深く考え学ぶ。

4.授業の受け方・勉強の仕方
(1)予習の仕方
予め配布するプリントの中から、次の授業に関連する部分については、必ず読んでおくこと。ただし必ずしも授業計画通りの進み方をするとは限らない。
意味の不明な語は、あらかじめ調べておくこと。
(2)授業の受け方
・同じクラスの受講者の考えや、異なる意見からも学ぶ姿勢を大切にして頂きたい。
・授業のポイントは、必ずしも一つとは限りません。
・受講者にとって特に重視すべきポイントは同じとは限りません。
・関連するポイントを、何度も授業で扱う場合もあります。漠然と聞いているだけであったり、相互のつながりについて積極的に聴いて考える姿勢を持たなければ、授業内容を理解することは難しくなります。
・毎回授業の終わりに書いてもらうミニットペーパーによって、授業の理解度を評価します.
(3)復習の仕方
・毎回の授業のポイントがどこにあったか確認すること。

5.受講にあたってのルール
(1) 受講時の基本姿勢(マナー)
受講時は、私語を慎み、居眠り・飲食・内職等は行わないこと。これに反する行為、授業を受ける意志が認められない場合、特に講義を聴講している他の者の妨害となっている場合、退室を求めることがある。教室の空調の操作は担当教員はしない。調整の必要を感じた者が行う。
(2) 遅刻・欠席・早退の扱い
30分を超える遅刻は欠席扱いとし、遅刻2回で1回の欠席とみなす。早退は欠席とみなす。欠席した場合は、「欠席届」を提出すること。
(3) 期末試験の受験資格
講義15回のうち、欠席回数が3分の1以上の者は単位を取得できない(すなわち再履修となる)。ただし小テスト(期末試験)は受験できる。
(4) 期末試験時の不正行為の扱い
カンニング等の不正行為を行った場合は試験点を 0 点とする(すなわち再履修となる) 。参考文献を含めた図書・webの無断引用も、カンニングと同様の扱いとする。
(5)ミニットペーパーについては上で述べた通り。科目担当者に伝えたい事や連絡ある場合にはミニットペーパーに書かずメールを使用すること。

6.授業計画と「予習・復習」の内容及び必要な時間
テーマ
予習・復習
備考
第1回
オリエンテーション
予習:キリスト教学の諸課題
復習:授業の目的の理解
第2回
方法論①キリスト教的人間学
予習:なぜこの大学で学ぶのか
   なぜ「お嬢さま」か
復習:大学で学ぶということと人間学
第3回
方法論②仙台白百合女子大学「人間学」部
予習:本学建学の精神
復習:人間学の方法論
第4回
現代・日本における「子の死」
予習:親がわが子のいのちを奪う事例
復習:人間のいのちの境界、生の教育
第5回
古代・聖書における「子の死」①資料を理解する
予習:創世記1〜4章
復習:資料(聖書)を読み取るために必要なこと
第6回
古代・聖書における「子の死」②宗教学的視点
予習:人間にとって「儀礼」とは
復習:古代・聖書における親と子
第7回
近代日本における子どものいのち
予習:「他人」と「他者」の違い
復習:〈自己〉と〈他者〉の関係
第8回
個人の死、家族の死①犯罪被害とゆるし
予習:キリスト教におけるゆるし
復習:真に犯罪の無い社会のためには何が必要か
第9回
個人の死、家族の死②共感と記憶
予習:人間にとっての記憶とは何か
復習:記憶を育む家庭という場
第10回
個人の死、家族の死③親の死
予習:自分の存在と親の存在
復習:〈他者〉の死の体験
第11回
死の段階的体験にもとづく考察
予習:エリザベス=キューブラー=ロスの死の5段階説
復習:死を契機とした〈自己〉の認識
第12回
死を超える在り方──キリスト教の基本
予習:キリスト教学における死と復活(1コリント15章)
復習:なぜキリスト教の中心は「死と復活」か
第13回
死を超える在り方──キリスト教の生き方
予習:人間の生の中の「死と復活」
復習:キリスト教における死と復活の意味
第14回
死を超える在り方──キリスト教的人間学の基礎
予習:キリスト教の福音とは何か
復習:人間の生に対する愛の意味
第15回
まとめ+小テスト
15回目授業の後半で、小テストを実施する.
第16回
予習・復習
事前に提供された資料は読んでおくこと。そのため、意味の分らない用語があれば必ず調べておくこと。授業での考察が、科目の全体の中でどのような位置つ?けであるか確認しておくこと。人間学で取り上げるテーマや疑問には「正解」が無いことが多い。復習は、どこまでが一般的に共通に認められる(認めるべき)点か、どこが多様性(個別性)を生じる点かを整理しておくこと。目安の時間として、授業1 コマにつき、予習90 分、復習90 分が必要。

7.評価方法(テスト、レポート、課題等へのフィードバック方法を含む)
到達目標と評価項目の関連
(1)小テスト(45%)...小テストは、1-14回の授業内容に関するテーゼを予め提示し、その中から一つ(あるいは複数)選んで論述してもらう.授業内容が理解されているかを評価する.
(2)受講態度(10%)...出席点、授業での取り組み方・参加意欲、遅刻の頻度、等.おもに授業内のコメントに基づいて判断する.
(3)授業内のミニットペーパー(45%)...授業の理解度、授業に望む姿勢を総合的に評価する.一部学生のミニットペーパーを適切な部分のみを次回授業で引用抜粋することがある.ミニットペーパー引用は、授業内だけとするが、内容上、クラス以外に公表しないほうがよい場合も考えられる。そのため学生による授業の録画録音は厳禁.
 ただし、授業の評価・授業内容向上等の目的で、授業以外で匿名としてミニットペーパーを、授業以外で引用抜粋することがある.授業以外の内容で科目担当者に伝えたい場合、ミニットペーパーではなく原則的にメールを使用する.ミニットペーパーは感想だけで終わらないよう注意.
(4)評価方法に関する上記項目の割合は、授業開始後の状況により変更の場合があり、目安として考えてもらう。

8.参考図書・文献

9.履修上の注意
(1)この科目は、「死」についての考察を避けてとおることはできない。また、この科目のガイダンスで説明する目的、方法論の理解が欠ける場合、必然的に評価点は低くなるので、しっかり理解するように。
(2)出席数が規定に満たない場合には評価対象とすることができない。
(3)受講に際して、特別な配慮を要する学生や心配や不安なことがある場合、必ず2回目の授業までに担当者に相談
しておくこと。
(4)「キリスト教学」が履修済みであることが望ましい。ただし編入生の受講を想定して、キリスト教学と関連する項目については授業内で解説する。
(5)授業の中で、随時プリントを配布する。
(6)受講者の半数以上が実習等で欠席が予想される場合には、休講とすることがある。
(7)参考文献:授業中で指示する。